私たちは今、常態化した非常事態を生きています。
理不尽な攻撃や突然のクーデター、地震、洪水、山火事などの自然災害によって、多くの人々が住む場所を失い、強制的な移住を余儀なくされています。未知のウイルスが突如私たちの生命を脅かした経験は記憶に新しく、それによる政治的混乱、人間関係の分断、日常の喪失は、今なお日々の暮らしに影を落としています。
生成AIなど人工知能を含むテクノロジーが飛躍的に発達し、私たちが目にするイメージや情報の真正性の判断は、時に極めて困難になりました。さらに、情報の流通が複雑なアルゴリズムに支配され、サイバー空間での攻撃がいよいよ本格化したこの超高度情報化社会では、誰もが生の根底に不安を抱き、焦燥感や拠りどころのなさを抱えています。
こうした「非常の常」の時代を、私たちはどのように生きることができるのでしょうか。本展では、8名の作家の表現を通じて、時代を見つめ、想像力を膨らませ、明日を生きる希望を探ります。
出品予定作家:シプリアン・ガイヤール、潘逸舟、クゥワイ・サムナン、キム・アヨン、リー・キット、高橋喜代史、米田知子、袁廣鳴(ユェン・グァンミン)
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シプリアン・ガイヤール《Artefacts》2011年 国立国際美術館蔵
©Cyprien Gaillard Courtesy the artist and Sprüth Magers -
潘逸舟《わたしは家を運び、家はわたしを移す》2019年 国立国際美術館蔵
©Ishu Han -
クゥワイ・サムナン《Untitled》2011-13年 国立国際美術館蔵 ©Khvay Samnang
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キム・アヨン《デリバリー・ダンサーズ・スフィア》2022年 国立国際美術館蔵
©Ayoung Kim Courtesy of the artist -
リー・キット
《Tearing the world apart, yet achieving absolutely nothing.》
2025年 Courtesy of the artist / Lee Kit -
高橋喜代史《POSTER》2018年
タグチアートコレクション/タグチ現代芸術基金蔵
©Kiyoshi Takahashi Courtesy of the artist -
米田知子《絡まった有刺鉄線と花Ⅰ(非武装地帯近く・チョルウォン・韓国)》
2015年 作家蔵
Copyright the artist Courtesy of ShugoArts -
袁廣鳴(ユェン・グァンミン)《日常戦争》2024年 国立国際美術館蔵
©Yuan Goang-Ming Courtesy of the artist and TKG+
- 会期
- 2025年6月28日(土) - 2025年10月5日(日)
- 開催時間
- 10:00 – 17:00、金曜・土曜は20:00まで
※入場は閉館の30分前まで - 休館日
- 月曜日(ただし7月21日、8月11日、9月15日は開館)、7月22日、8月12日、9月16日
- 主催
国立国際美術館
- 協賛
公益財団法人ダイキン工業現代美術振興財団
- 助成
一般財団法人安藤忠雄文化財団
- 観覧料
一般 大学生 1,500円(1,300円) 900円(800円) ※( )内は20名以上の団体料金および夜間割引料金(対象時間:金曜・土曜の17:00 – 20:00)
※高校生以下・18歳未満無料(要証明)
※心身に障がいのある方とその付添者1名は無料(要証明)
※本料金で、同時期開催のコレクション展もご覧いただけます