沿革
国立国際美術館は、1977年、国内外の現代美術を中心とした作品を収集・保管・展示し、関連する調査研究及び事業を行うことを目的として開館しました。建物は、1970年の日本万国博覧会開催に際して建設された万国博美術館を活用し、以来、わが国の現代美術の発展を願い、活動を継続してきました。その間、竣工以来30余年が経ち、施設の老朽化などに問題が生じてきたため、大阪・中之島西部地区に、完全地下型の美術館として新築、移転することになりました。新しい美術館では、現代美術を発信する美術館として従来の活動を継承しながら、よりいっそう国内外の美術の動向を幅広く紹介し、みなさまの多様な期待に応える活動に積極的に取り組んでいきます。建物は、竹の生命力と現代美術の発展・成長をイメージした外観デザインを有し、人と美術との交流を生み出すパブリック・ゾーンを設けるなど、より快適な鑑賞の場を提供できるよう工夫しました。歴史と文化を継承する中之島における新たな文化の拠点として、今後、みなさまに親しまれる施設となることを目指します。
沿革
1974年 | 4月11日 | 「国立国際美術館(仮称)の設立準備に関する要項→(文化庁長官裁定)を制定し、文化部文化普及課に国立国際美術館(仮称)設立準備室を設置。 |
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1975年 | 12月20日 | 国立国際美術館(仮称)庁舎として利用するため、旧万国博美術館の建物を日本万国博記念協会から無償で譲り受ける。 |
1977年 | 5月20日 | 文部省設置法の一部を改正する法律(昭和52年法律第41号)により国立国際美術館が設置される。 館長に本間正義、庶務課長に河野繁蔵、学芸課長に村田慶之輔が発令される。 |
10月14日 | 犬丸直文化庁長官、黒田了一大阪府知事等、関係者の出席のもとに、開館式典を行う。 | |
10月15日 | 開館記念特別展「日本の美、その色とかたち」を開催。 | |
1978年 | 6月2日 | 故大橋嘉一氏のコレクションのうち美術作品828点が遺族により寄贈される。 |
8月19日 | 特別展「イスのかたち-デザインからアートへ」を開催。 | |
11月2日 | 読売新聞社と共催で「マナブ間部展」を開催。 | |
1979年 | 5月26日 | サンケイ新聞社と共催で「巨匠画家の彫刻展」を開催。 |
10月6日 | 特別展「近代イタリア美術と日本一作家の交流をめぐって-」を開催。 | |
1980年 | 10月10日 | 特別展「絵画のアール・ヌーボー ヨーロッパと日本」を開催。 |
1981年 | 6月23日 | NHKと共催で「アングル展」を開催。 |
8月1日 | 館長本間正義が退官、後任として小倉忠夫が発令される。 | |
10月2日 | 特別展「現代ラテン・アメリカ美術と日本」を開催。 | |
1982年 | 4月3日 | 日本経済新聞社と共催で「東山魁夷展」を開催。 |
10月2日 | 特別展「アメリカ北西派の美術」を開催。 | |
1983年 | 10月7日 | 特別展「裸体画100年の歩み」を開催。 |
1984年 | 5月12日 | NHKと共催で「パキスタン・ガンダーラ美術展」を開催。 |
10月6日 | 特別展「芸術としての写真・その誕生から今日まで-シカゴ美術館のコレクションから」を開催。 | |
1985年 | 2月1日 | 東京国立近代美術館特別展「現代美術への視点 メタファーとシンボル」を開催。 |
9月27日 | 特別展「絵画の嵐・1950年代-アンフォルメル/具体美術/コブラ」を開催。 | |
12月7日 | 東京国立近代美術館特別展「写実の系譜Ⅰ・洋風表現の導入一江戸中期から明治初期まで」を開催。 | |
1986年 | 2月21日 | 毎日放送と共催で「ヴァン・ゴッホ展」を開催。 |
4月1日 | 館長小倉忠夫が京都国立近代美術館長に配置換、後任として三木多聞が発令された。 | |
8月16日 | 「浜口陽三」巡回展(文化庁と共催)を公立美術館4館(千葉県立美術館、岐阜県美術館、倉敷市立展示美術館、米子市美術館)で開催。 | |
10月4日 | 特別展「西洋との出会い・キリシタン絵画と南蛮屏風」を開催。 | |
1987年 | 3月21日 | 毎日放送と共催で「ミレー・コローからゴッホへ バルビゾン派をめぐる画家たち」を開催。 |
9月26日 | 「浜口陽三」巡回展(文化庁と共催)を公立美術館等4館(徳島県郷土文化会館、弘前市立博物館、日立市郷土博物館、いわき市美術館)で開催。 | |
10月3日 | 開館10周年記念特別展「絵画1977-1987」を開催。 | |
1988年 | 3月19日 | 毎日放送と共催で「フランス・ハルスと17世紀オランダ絵画の黄金期」を開催。 オーストラリア200年祭事務局と共催で「今日のオーストラリア美術」を開催。 特別展「現代アメリカ版画の断面・作家と工房」を開催。 |
1989年 | 1月5日 | 近鉄アート館と共催で「ウォーホル・バスキア・クレメンテ」を開催。 |
4月25日 | 特別展「ドローイングの現在」と企画展「巨匠の素描-セザンヌ、マチス、ピカソ」を開催。 | |
1990年 | 3月9日 | 近鉄アート館と共催で「国立国際美術館のコレクションから 人のかたち、いろいろ」を開催。 |
10月6日 | 特別展「ミニマル・アート」を開催。 | |
1991年 | 3月9日 | NHK・朝日新聞社と共催で「大英博物館展 芸術と人間」を開催。 |
10月10日 | 特別展「芸術と日常一反芸術/汎芸術」を開催。 | |
1992年 | 4月1日 | 三木多聞館長が退官。後任として木村重信が発令された。 |
9月10日 | 臨時評議員会を開催し、新築移転について審議し、館の意志を表明した。 | |
10月12日 | 特別展「彫刻の遠心力ーこの十年の展開」を開催。 | |
12月12日 | 東京国立近代美術館特別展「現代美術への視点 形象のはざまに」を開催。 | |
1993年 | 2月11日 | 大阪府、財団法人大阪府文化振興財団、読売新聞社、読売テレビと共催で「津高和一展」を開催。 |
4月6日 | 新館建設について審議し、大阪市内へ新築移転の方針を決定した。 | |
6月12日 | 特別展「デュビュッフェー初期の作品展」を開催。 | |
9月9日 | NHK大阪放送局、(財)NHKサービスセンターと共催で「現代のジャワ更紗-ニュー・ファッションへの展開」を開催。 | |
12月16日 | 大阪府、(財)大阪府文化振興財団、朝日新聞社と共催で「三尾公三展」を開催。 | |
1994年 | 4月20日 | 本館の新築移転候補地について審議し、移転先を、大阪市中之島の大阪市立科学館の地下とすることが承認された。 |
7月14日 | 読売新聞社大阪本社、読売テレビと共催で「木村忠太展一南仏プロヴァンスの光」を開催。 | |
10月6日 | 特別展「工藤哲巳回顧展一異議と創造」を開催。 | |
1995年 | 2月9日 | 大阪府、(財)大阪府文化振興財団と共催で「森口宏一展一理知的造形40年の軌跡」を開催。 |
4月6日 | 木の建築と都市実行委貞会と共催で、「木の建築と都市」を開催。 | |
6月1日 | 大阪府、(財)大阪府文化振興財団と共催で、「清水九兵衛展-アフィニティー/親和の神話」を開催。 | |
10月5日 | 特別展「紙の世界」を開催。 | |
10月6日 | 近畿地方建設局 建設コンサルタント選定委員会は新館基本設計者としてシーザペリ&アソシエーツを選定した。 | |
1996年 | 3月18日 | 国立国際美術館の支援を目的とした、財団法人ダイキン工業現代美術振興財団の設立が文部大臣から認可された。 |
3月20日 | 新館基本設計が完成した。 | |
9月5日 | 特別展「美術家の冒険」開催。 | |
12月5日 | 東京国立近代美術館特別展「90年代の韓国美術から」開催。 | |
1997年 | 2月6日 | 大阪府、(財)大阪府文化振興財団と共催で「斎藤眞成展」を開催。 |
3月31日 | 開館20周年記念展「国立国際美術館所蔵一大橋コレクション」はじまる。 | |
6月19日 | 開館20周年記念展「国立国際美術館の20年」はじまる。 | |
10月29日 | 開館20周年記念式典を挙行。 | |
10月30日 | 特別展「重力-戦後美術の座標軸」を開催。 | |
1998年 | 2月13日 | 大阪府、(財)大阪府文化振興財団と共催で「カネマツ・マツミ ― 1950年-90年/二つの祖国・戦後アメリカ画壇に生きた日系人画家」を開催。 |
3月20日 | 新館実施設計が完成した。 | |
4月1日 | 木村重信館長が退官、後任として宮島久雄が発令された。 | |
10月8日 | 特別展「芸術と環境―エコロジーの視点から」を開催。 | |
10月29日 | 新館施工者を選定した。 | |
12月9日 | 博物館相当施設に指定される。 | |
1999年 | 1月19日 | 新館建築工事に着手。 |
6月14日 | 新館着工祝賀会を開催。 | |
10月21日 | 特別展「高松次郎―<影>の絵画とドローイング―」を開催。 | |
2000年 | 8月26日 | 国際交流展「Kobayashi Takanobu」(タイ)を開催。 |
11月2日 | 特別展「安斎重男の眼1970-1999 写真がとらえた現代美術の30年」を開催。 | |
2001年 | 4月1日 | 独立行政法人国立美術館に移行。 |
10月25日 | 特別展「主題としての美術館 美術館をめぐる現代美術」を開催。 | |
2002年 | 8月1日 | 特別展「いま、話そう 日韓現代美術展」を開催。 |
9月7日 | 国際交流展「目撃者 安斎」のオープニング(ポーランド、ブンケル・シュトゥーキ)を開催。 | |
2003年 | 1月15日 | 特別展「現代美術への視点 連続と侵犯」の記者発表。 |
10月8日 | 特別展「大地の芸術 クレイワーク新世紀」を開催。 | |
2004年 | 1月17日 | 閉館記念式典を開催。 |
3月26日 | 新館引渡式・竣工式を開催。 | |
7月23日 | 新館 お披露目式典を開催。 | |
11月3日 | 新館開館式典を開催。 新館グランドオープン。 開館記念展「マルセル・デュシャンと20世紀美術」を開催。 |
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2005年 | 4月1日 | 宮島久雄館長が退任、後任として建畠晢が発令された。 |
10月25日 | 特別展「もの派-再考」を開催。 | |
11月3日 | 国立国際美術館新築移転一周年記念連続シンポジウム「野生の近代再考―戦後日本美術史」を開催。 | |
2006年 | 10月3日 | 特別展「エッセンシャルペインティング」を開催。 |
10月11日 | 「夢の美術館:大阪コレクションズ」展の共同記者発表。 | |
2007年 | 1月15日 | 大阪市立近代美術館、サントリーミュージアム[天保山]と共催で「夢の美術館:大阪コレクションズ」を開催。 |
10月2日 | 特別展「現代美術の皮膚」を開催。 | |
11月3日 | 国立国際美術館開館30周年シンポジウム「未完の過去 この30年の美術」を開催。 | |
12月17日 | 国立国際美術館開館30周年記念式典及び「国立国際美術館開館30周年記念展 30年分のコレクション」を開催。 | |
2008年 | 12月9日 | 特別展「アヴァンギャルド・チャイナ-<中国当代美術>二十年-」を開催。 |
2010年 | 1月16日 | 国立国際美術館新築移転5周年記念「絵画の庭―ゼロ年代日本の地平から」を開催。 |
1月23日 | 新築移転記念5周年シンポジウム「絵画の時代―ゼロ年代の地平から」を開催。 | |
12月31日 | 建畠晢館長が退任。 | |
2011年 | 3月8日 | 特別展「風穴 もうひとつのコンセプチュアリズム、アジアから」を開催。 |
4月1日 | 山梨俊夫館長が就任。 | |
2021年 | 3月31日 |
山梨俊夫館長が退任。
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4月1日 |
島敦彦館長が就任。
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