国立国際美術館

HOME学び・体験活動レポート・日記大阪市立豊崎東小学校

学校団体鑑賞

大阪市立豊崎東小学校

2023年7月6日(木)

7月6日に大阪市立豊崎東小学校の4年生57名が来館されました。

講堂でのオリエンテーションでは、美術館や展覧会のほか、作品の楽しみ方についても紹介しました。スライドに映し出された作品画像に興味津々の様子で、自分が気づいたことや疑問を発言するだけでなく、お友達の発言を受けて、そこからさらに絵の中で起こっていることを想像し、考えたことも積極的に伝えてくれました。

地下2階で開催されている「コレクション1 80/90/00/10」展ではみなさん、鑑賞サポートツールの『アクティヴィティ・ブック』(※)に取り組みながら、真剣なまなざしで作品を鑑賞していました。気になった作品をスケッチするアクティヴィティ「07 気になるもの」で、奈良美智《長い長い長い夜》(1995年)を選んだ子は、目の向きや口の開け方等、描かれている人物の表情に着目して、その特徴をよく捉えてスケッチしていました。壁から足が出ているロバート・ゴーバー《無題》(1992年)をスケッチしながら足に毛が生えていることに気づいた子は、作品キャプションに人毛と記載されているのを見つけ、「人の毛がついていると思うとぞっとした」と教えてくれました。同じ作品を見ていた他の子は、壁から足が生えているように見える展示に疑問を持ったのか、作品の周りを行き来する様子が見られました。

作品を見ることにも慣れてきたからか、自ら着眼点を持ってつぶさに観察する姿もありました。地下3階で開催されている「ホーム・スイート・ホーム」展では、マリア・ファーラの《台風の中、岩にしがみつく》、《パンクしたディンギーを救う大型船》、《ティーンエイジ・ロマンス》(すべて2023年)の前で「この作品は最近作られたの?」と聞いてきた子がいました。スタッフが「そうだよ」と答えると、盛り上がった絵の具が固まっておらず、柔らかい状態をよく見て「だから絵の具がまだ乾いていないように見えるのか」と話してくれました。描かれているモチーフだけでなく、作品に近づいて絵の具の質感まで観察していることに、こちらも驚かされました。

展示室に向かう前に、先生がしっかりと美術館のマナーをお話ししてくださったこともあり、どの展示室でも作品を大切に思いながら、じっくりと鑑賞を楽しむ姿がとても印象的でした。

大阪市立豊崎東小学校のみなさん、ご来館ありがとうございました。
またのご来館お待ちしています。[S.S]

PAGETOP