会期:1987年6月4日~6月30日
現在最も充実した時期を迎えている美術家たちの最も新しい成果を個展の形式で紹介する「近作展」シリーズの第1回目。
小清水漸(1944−)は、多摩美術大学彫刻科に学び、1960年代後半から木、石、紙、土、鉄など原材に近い素材との具体的なかかわりを重視した作品を制作し続け、ベネチアやサンパウロのビエンナーレ展をはじめ内外の展覧会で活躍している。
本展の作品は、主に木を素材とし、その材質感と石や水などとのかかわりを強調しながら、立体造形の新しい領域に挑んでいた。特に、当館会場を考慮した新作の「浮くかたち」は、床面を水面と想定し、八艘、四杯、三隻、一片の合計16の船のたゆたいを素木により表現し注目された。