国立国際美術館

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学校団体鑑賞

一般社団法人ビビディバビディ部

2024年8月2日(金)

8月2日に一般社団法人ビビディバビディ部から小・中・高校生の児童生徒8名と保護者4名が来館しました。ビビディバビディ部は、アートが好きな中学生・高校生・大学生を対象に、子どもたちの個性や自分らしさを大切にしながら、地域に根ざした様々な活動に取り組まれています。(※1)今回はその活動の一つとして、一般の方にも広報して参加者を募り、当館で美術館鑑賞会を実施しました。

活動の始まりのオリエンテーションは地下1階のエントランスロビーで実施しました。美術館スタッフが美術館に入った時の印象を尋ねると、ある高校生が「上(1階)はすごく光が差し込んでいて植物園みたい。下(地下1階)はホテルのロビーみたい」と話しました。美術館スタッフからは、エントランスロビーの床に敷き詰められた大理石や、コンクリートの太い柱、地下1階から地上まで伸びているステンレスのパイプなど、当館の建物の特徴を紹介しました。
次にジョアン・ミロ《無垢の笑い》(1969年)を真正面に見える場所から鑑賞しました。作品を見て最初に思ったことについて、引率者からは「でかい」、保護者からは「一つずつタイルが貼られている」という声が上がりました。ある中学生は「光が差し込んでいて、色が目立っている。元気なイメージ」と天井のガラス窓から差し込む自然の光を含めて、作品を見て自身が受けた印象を話しました。《無垢の笑い》をより間近に見ることのできるレストラン前のデッキに移動して作品を眺め、作品を見る場所によって、作品の見え方や受ける印象が異なることを体感しました。その後、地下2階の展示室に移動する前に、引率代表の先生から、ここからはそれぞれのペースで自由に美術館を楽しんでほしいが、所蔵作品が並ぶ地下2階(※2)では気になった作品を見つけてその理由を考えてほしいこと、地下3階の「梅津庸一 クリスタルパレス」展(6月4日~10月6日、以下、梅津展)では自分がほしい(購入したい)と思う作品を探してみてほしいということを伝えました。
地下2階では、引率代表の先生が中心となって作品の前で自由におしゃべりするグループもあれば、2~3人の友達同士で鑑賞する子どもたちもいました。ある小学生は1人で作品を熱心に鑑賞し、作品を見て感じたこと、考えたことを引率の先生や美術館スタッフに満面の笑みで次々に話してくれました。その子は《無垢の笑い》を各階の様々な場所から見て、見た時の印象の違いを比較することも積極的に行っていて、エスカレーターで地下3階に降りた後には、吹き抜けの隙間から《無垢の笑い》を見上げて「ここから見ると、(左)半分は太陽の光が当たって見えるけど、(右)半分が影になって見えない。まるで、地球の日が当たっている場所と日が当たってない場所みたい。太陽が当たっている黄色は、パーッと輝いていて太陽に見える」と美術館スタッフに話しました。
梅津展では、それぞれのペースで展示室を巡りました。今回は保護者と参加している子も多かったですが、小中学生も含めてどの子も、初めて会った参加者や大人とも徐々に打ち解けていき、梅津展では作品を見た感想や考えたことを和気あいあいと話し合っていました。

一般社団法人ビビディバビディ部からの今回の美術館来館では、いろいろな世代が集まって、コミュニケーションを取りながら作品を鑑賞することを楽しんでいる様子が見られました。引率代表の先生は、前任校で会期ごとに高校の生徒さんたちを当館に連れてきてくださっていましたが、今回、改めて年齢の異なる人たちが集まった鑑賞会の楽しさを発見されたようでした。

一般社団法人ビビディバビディ部のみなさん、ご来館ありがとうございました。またのご来館お待ちしています。[F.A]

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