国立国際美術館

HOME学び・体験活動レポート・日記グローリッジ キッズスクール

学校団体鑑賞

グローリッジ キッズスクール

2023年8月3日(木)

8月3日にグローリッジ キッズスクールの2歳から小学3年生までの24名が来館されました。

スクールバスで2回に分かれて来館したので、先に着いたグループは地下1階の講堂で後から来るグループを待ちました。最初は少しそわそわしている子もいましたが、全体的には落ち着いた様子で椅子に座り、講堂の中を見渡したり、先生やスタッフとおしゃべりして過ごしました。

オリエンテーションで、スクリーンに美術館の外観写真が映ると、「さっき見た!」と声が上がりました。スタッフが「これ見て何か思い出したものはある?似ているものはある?」と尋ねると、「船!」と元気に答える子もいました。これからの活動内容を紹介する「今日の活動」のページに、ジョアン・ミロ《無垢の笑い》(1969年)が少しだけ映し出されると、「ちょっとこわい」「目みたい」という発言が飛び出し、子どもたちがスライドに映し出されるものをしっかりと見ていることがわかる瞬間でした。これから見られる作品の一部として、ヘンリー・ムア《ナイフ・エッジ》(1961/76年)、奈良美智《長い長い長い夜》(1995年)、はまぐちさくらこ《きいろいにおいがやってくる》(2009年)、西山美なコ《『Looking at you』より ローズ》(1997年)、マーク・マンダース《乾いた土の頭部》(2015-16年)を画像で紹介すると、「かわいい」「こわい」「すてき」など、口々に話していました。

オリエンテーションが終わると、地下2階で開催している「コレクション1 80/90/00/10」展に向かいました。その途中、地下1階のエントランスホールで、床に敷き詰められている大理石のタイルが、ガラスの天井から入ってくる太陽の光を反射させて部屋を明るくしていることなどを美術館スタッフが伝えると、子どもたちは興味を持って床を触ったり、じっと見つめていました。

展示室では2グループに分かれて、子ども同士で手をつなぎ、大人たちに見守られながら作品を見て回りました。子どもたちは、さまざまな形や大きさの作品に目をキラキラさせ、自分が思ったこと、見つけたことを次々にスタッフに話していました。中には気に入った作品の前に戻りたいと言うくらい、気に入った作品を見つける子どももいました。グループでの鑑賞中にはそれぞれが気に入った場所で止まることは難しかったですが、どうしても見たい子は後でスタッフと戻って見ていました。

展示室を一周した後は、地下2階の吹き抜けスペースに集まり、マンダースやミロの作品をスケッチしました。中には、作品を見ながら一周した後の気持ちやその中で目にしたものを表しているように見えるものや、吹き抜けスペースの様子などを描く子もいました。グローリッジ キッズスクールさんの普段の活動を通して、今回来館した子どもたちの多くが絵を描くことや工作には慣れているということもあり、どの子も思い思いに絵を描く姿がとても印象的でした。マンダース作品の前では男の子たちが集まってスケッチをしていました。お互いのスケッチを見せ合い、「ここにもひびがあるよ!」と話している場面もあり、作品を見て気になったところをスケッチで表現しようとしている様子が伺えました。またミロ作品を熱心にスケッチしている女の子たちもいました。作品の中に見える目のようなモチーフを描き、スタッフに「これはあの緑色のところで、ここはあの青!」と嬉しそうに説明してくれました。吹き抜けスペースからは少し離れた場所に展示されている奈良作品を気に入った小学生は、作品をじっと見つめ、人物の表情を忠実にスケッチしようとしていました。

今回は、打ち合わせ時に先生が作品を見るだけではなく、手を動かすような活動もしたいとご希望されていたので、活動の後半にスケッチする時間を設けました。子どもたちが作品を見た後にスケッチを通して自分が見たものを表現しようとしている姿を見ると、今回の美術館体験が、子どもたちにとっても、先生にとっても、次の活動へとつながる初めの第一歩になったのではないかと思います。

終了後、バスを待つグループは、地下1階のレストラン前のデッキからミロ作品を見たり、キッズルームで絵本を読んだりするオプションタイムを楽しみました。少し疲れている様子を見せつつも、スタッフに手を振って笑顔で帰っていく姿に、スタッフ一同とても嬉しく思いました。

グローリッジ キッズスクールのみなさん、ご来館ありがとうございました。またのご来館お待ちしています。[F.A]

PAGETOP