4月27日に堺市立堺高等学校 建築インテリア創造科3年生5名が来館されました。 今回はじめて美術館を訪れるという生徒向けに、オリエンテーションでは、美術館や展覧会の概要の紹介と併せて、タイトルや解説などの作品情報を見る前に、まずは今の自分にとって作品がどのように見えるのか、そこからどのように感じるのかを考えてみてみるといいのではないかという、作品鑑賞のヒントもお話ししました。 地下3階の「ピカソとその時代 ベルリン国立ベルクグリューン美術館展」では、自分のペースで作品1点1点をじっくり見て、時間をかけて鑑賞していました。見終わった生徒たちに、気に入った作品はあったかと聞いてみると、アルベルト・ジャコメッティの彫刻作品と答えた生徒がいました。その理由を聞くと、「中学生の時の美術のテストにジャコメッティがでた。今日、本物(の作品)を見ることができて嬉しい。」と教えてくれました。 地下2階の「コレクション2 特集展示:メル・ボックナー」では、主に、鑑賞サポートツールの『アクティヴィティ・ブック』のアクティヴィティ「07 気になるもの」に取り組みました。(※)「07 気になるもの」は、気になった作品のスケッチを通して、じっくりと作品を見て、その作品がどうして気になったのか気になるポイント(理由)を考え、書くというアクティヴィティです。 まずは、展示室を全員でまわり、気づいたことや考えたことを和気あいあいとおしゃべりしながら、作品を鑑賞していきました。そして、後半はそれぞれが気になった作品の前に行き、『アクティヴィティ・ブック』に記入しました。 一人の生徒は、引率の先生やスタッフと話しているなかでメル・ボックナー《セオリー・オブ・スカルプチャー(一対一)》(1972年)の石の並び方の規則性を解読して、とても感動していました。その後、『アクティヴィティ・ブック』に石の並び方をメモするために、改めてじっくりと作品を見ていると、並べられている石の大きさや色が違っているという新たな点を発見し、その理由について自分が考えたことを紙面にびっしりと書いていました。 生徒のみなさんは、来年1月の卒業制作に向けて、これからたくさん作品を鑑賞していくとのこと。多くの作品を見て、様々なことを吸収して、作品を作り上げてくれたら嬉しいです。 堺市立堺高等学校建築 インテリア創造科のみなさん、ご来館ありがとうございました。 またのご来館お待ちしています。[F.A] ※アクティヴィティ・ブックほか、鑑賞サポートツールについてはこちらから