12月27日に大阪府公立小・中学校美術教育研究会 中学部冬期研修会を開催しました。
大阪市を除く府下の公立小・中学校の先生29名が参加されました。
研究会代表の先生方と事前に対面とオンラインで打ち合わせの上、作品を展示室で少しでも時間をかけて鑑賞し、鑑賞作品を生徒たちとどのように鑑賞できるか検討することを目的とした研修を開催しました。冒頭で、中学部部長より本研修の趣旨の説明を、その次に「すべて未知の世界へ ― GUTAI 分化と統合」展について美術館スタッフより簡単なレクチャーを受けた後、展示室に向かい、個人で20分鑑賞しました。その上で、6グループに分かれて60分かけて、個人で鑑賞した作品の紹介、グループで取り上げる作品の決定、プランの検討をしました。
個人で鑑賞している間に感じたことを、グループで話しながら見ていくと、他の人の見方を聞いて作品の見方が変わったり、一つの作品を時間をかけて鑑賞することで、何が描かれているかだけではなく、どのようにして制作したのかなど、一点の作品に対してもいくつもの視点で鑑賞を深めていく様子が見られました。
事前授業、美術館鑑賞、事後授業の流れを組み立てたグループもあれば、「作品にタイトルをつけてみる」、「五感を使って作品を鑑賞する」といったテーマで生徒たちが、作品と少しずつ向き合っていける鑑賞案を考えたグループもありました。中学校のグループでは、1〜2年生の時に作品を鑑賞し、作品を通して自分の気持ちを伝えることに少しでも慣れていれば、3年生になったときに、進路選択に関する自分の気持ちをより自由に述べられることにもつながるのではないか、という意見も出ていました。
先生自身が作品鑑賞をじっくり行うことで、美術館での生徒たちの活動や、生徒たちの作品との向き合い方をより具体的に想像していただけたのではないでしょうか。
年末のお忙しい中ご来館ありがとうございました。次回はぜひ、生徒たちと一緒にご来館ください。お待ちしています。[S.S]



