国立国際美術館

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学校団体鑑賞

大阪市立平尾小学校

2022年12月13日(火)

12月13日に大阪市立平尾小学校5年生54名が来館されました。

当館では、学校団体の来館の際、できるだけ来館する団体の子どもたちに合わせた美術館体験となるように担当の先生による展覧会の下見と美術館スタッフとの打合せをお願いしています。今回は、あまり美術館に来たことのない子どもたちに作品の楽しみ方を紹介してほしいという先生の希望に寄り添い、オリエンテーションにその内容を盛り込みました。

当日、遠足として来館されたみなさんは、まず講堂でのオリエンテーションで「すべて未知の世界へ ― GUTAI 分化と統合」展の簡単な紹介とこれから鑑賞する具体美術協会(以降、具体)の作品を例に作品の楽しみ方のレクチャーを受けました。プロジェクターの不調により大きな画面で作品をご覧いただくことはできませんでしたが、作品から感じたこと、思ったことをきっかけに、それらがどこから来るのか理由を探しながら、作品をよく見てほしいと伝えると、その話しに真剣に耳を傾けてくれていました。

展示室では、『アクティヴィティ・ブック』(※)の「03いちばん!」「04ビンゴゲーム」に取り組みました。「03いちばん!」で、山崎つる子《赤》(1956/1985年)を「いちばんかっこいい!」作品として選んだ子は、キャプションの制作年を書き写しながら「ひいおばあちゃんと同じぐらい昔の人が作ったと思うとすごい」と驚いていました。
「04ビンゴゲーム」では、9つの言葉(ごつごつ、びっくり等)にぴったりの作品を見つけるというアクティヴィティで、子どもたちの多くは展示されているたくさんの作品をよく観察し、これぞと思う作品をピックアップしていました。一方で、数名の子どもたちは「うれしい」が見つからない、と悩む姿も見られました。感情を表す言葉と作品をリンクさせること自体がなかなか難しいことではありますが、具体の作家たちの作品制作における葛藤、チャレンジ精神が渦巻く会場で「うれしい」という感覚はそぐわないのかもしれない、と作品をよく見ることで意識せず、その本質に迫る鑑賞の様子に驚きを感じました。

大阪市立平尾小学校5年生のみなさん、ご来館ありがとうございました。みなさん、よく作品を観察し、十分に楽しめていたと思います。またのご来館お待ちしています。[K.Y]

※アクティヴィティ・ブックに関する詳細はこちらから

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