11月15日に大阪YMCA国際専門学校 高等課程 表現・コミュニケーション学科選択芸術3年生11名が来館されました。
今年度3回目の来館ということで、オリエンテーションでは前回の鑑賞した展覧会を思い出すところからスタートしました。「すべて未知の世界へ ― GUTAI 分化と統合」展の紹介では、吉原治良の「人のまねをするな、今までにないものを創れ」という言葉をもとに、4点の作品をスライドで鑑賞しました。
展示室では、記憶に残った作品とその理由を書くという課題とマーク・マンダース《乾いた土の頭部》(2015-16年)のスケッチに取り組みました。
記憶に残った作品として、田中敦子《地獄門》(1965-69年)を取り上げた生徒は、その理由として「どこかでこの絵を見たことがあると思ったら、田舎のおじいちゃんとおばあちゃんの家にあった、たくさん丸がある絵だと思い出しました。その似ている絵は家の寝床にあった絵で幼少期はその絵がとても怖かったのを覚えています」と少し困惑した表情で教えてくれました。何度も美術館に足を運んでくれているみなさんだからこそ、幼少期の記憶だけでなく、その時の感情と目の前の作品を紐づけながら豊かな鑑賞体験ができたのだと思います。
マーク・マンダース《乾いた土の頭部》のスケッチでは、さすが選択芸術の3年生とあってスタッフが驚くほど写実的にスケッチしている生徒や、作品の背面と思われる思いもよらない角度からスケッチしている姿が見られました。何度も同じ作品と向き合ったからこそ得られたであろう、独自の目線で描かれたスケッチは深い鑑賞が結実した証だと感じました。
大阪YMCA国際専門学校 高等課程 表現・コミュニケーション学科選択芸術3年生のみなさん、ご来館ありがとうございました。授業で来館するのはこれで最後とのことで、寂しい気持ちでいっぱいですが、また美術館に足を運んでくれると嬉しいです。 [K.Y]

