国立国際美術館

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こどもノビノビびじゅつかんだれでもワイワイびじゅつかん

こどもノビノビびじゅつかん、だれでもワイワイびじゅつかん

2024年9月8日(日)

9月8日に、小学1年~6年生とその保護者を対象とした「こどもノビノビびじゅつかん」と、対象年齢を制限せずだれでも参加できる「だれでもワイワイびじゅつかん」を開催し、計19名が参加しました。

このプログラムは、コロナ禍で内容を変えて実施していた、スライドトークと自由鑑賞スタイルの各種「びじゅつあー」が好評だったため、その内容を引き継ぎ、プログラム名を新たにして、今年度からスタートしたプログラムです。(※1)今回は、講堂及び展示室内整備・修繕のために会場と内容を変更し、実施しました。(※2)

まず、地下1階エントランスロビーに設けた会場でプログラムの流れを簡単に紹介した後、『国立美術館アートカード・セット』(※3、以下、アートカード)を使って、アートカードゲームをしました。両回で行った「ジェスチャーゲーム」は、全てのアートカードを机の上に並べ、参加者が交代で他の人にわからないようにカードを1枚選び、作品をよく観察し、人物が表現されていれば、その表情、体の動きなどをジェスチャーで表すゲームです。他の参加者は、たくさんのカードの中から、ジェスチャーで表されているカードを当てます。午前中の「こどもノビノビびじゅつかん」に参加した小学生は、高村光太郎《手》(1918年頃、東京国立近代美術館蔵)のカードを選び、複雑に絡む指の様子等を一生懸命に真似ていました。他の参加者は、子どもと保護者で相談しながら、アートカードの中の人物をモチーフにした絵画や写真、彫刻の手に注目し、真似ていると思うカードを探していました。「こどもノビノビびじゅつかん」では「アートカードでUNO」(※4)も行いました。
アートカードゲームを通して、作品をよく観察することや作品について誰かと話すといった、作品鑑賞につながるウォーミングアップをしてから、鑑賞サポートツールである『アクティヴィティ・ブック』(※5)を用いた、それぞれの参加者のペースで楽しめる自由鑑賞へと進みました。

今回は、『アクティヴィティ・ブック』に掲載されているアクティヴィティを参加者が自由に選択し、恒久設置作品と地下2階に展示されている近年の収蔵作品2点を鑑賞しました。(※5)
「こどもノビノビびじゅつかん」に参加した小学生は、9つのマスに書かれた「ごつごつ」「ほっとする」等のそれぞれの言葉に合う作品を探す「ビンゴゲーム」にチャレンジしていました。9つの言葉の中には「デコボコ」という言葉がありますが、この参加者は「ザラザラ」という言葉に合う作品として、ジャデ・ファドジュティミ《疑惑の領域を見渡す》(2021年)を選び、その理由として「色々な色の絵の具が画面にデコボコに塗られているから」と美術館スタッフに教えてくれました。展示作品数が多ければ、その分、言葉に合う作品も探しやすいですが、今回は作品数が少ない中でもなんとか言葉に合う作品を見つけようと、この小学生は一つ一つの作品を時間をかけて鑑賞していました。
「だれでもワイワイびじゅつかん」に家族で参加した未就学児は、『アクティヴィティ・ブック』に印刷された60種類の色カードを見ながら、同じ色を作品の中に発見したら、色カードの該当する色に印をつけていました。この参加者は、地下2階から地下1階に戻ったときに、出口近くに展示されているマリノ・マリーニ《踊子》(1949年)を見て、大人でも気づかないことが多い、ブロンズ彫刻の表面に刻まれた模様を見つけ、その子には「きず」のように見えたらしく、『アクティヴィティ・ブック』に「きず」と書き込んでほしいと美術館スタッフにお願いしていました。作品の色に着目する活動の中で、作品の細かい部分を観察することができるようになったからこその発見だったのではないかと思います。

本プログラムでは、美術館が初めてという方にも気楽に作品を楽しんでもらえるような内容を目指しました。今回、ご紹介した作品を楽しむためのヒントを活かして、是非また美術館で作品を楽しんでもらえたら嬉しいです。ご参加いただいたみなさん、ありがとうございました。 [K.Y]

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2024年9月8日(日)
1)11:00〜12:00 こどもノビノビびじゅつかん 対象:小学生とその保護者 定員:5組10名
2)14:00〜15:00 だれでもワイワイびじゅつかん 対象:どなたでも 定員:10名
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