国立国際美術館

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第14回中之島映像劇場 長編8ミリ映画:プライベート・ナラティヴ

第14回中之島映像劇場は、「長編8ミリ映画:プライベート・ナラティヴ」と題し、2作家、4作の長編8ミリ作品を紹介いたします。
1965年「わたしにも写せます」のコピーで宣伝され、販売開始されたシングル8(富士フィルム)は、ホームユースの動画メディアとして、それまでの小型フィルムとは一線を画する手軽さを備えていました。それは同年にコダック社が発売開始した「スーパー8」も同様で、一般に広く浸透していきました。やがてそれらを用いて自分たちの映画を撮ろうという学生を中心とした動きが70年代に盛り上がり始めます。それはいわゆる小型映画や日大映研、「フィルム・アンデパンダン」などと地続きでありながらも、それらとは少し異なる性格を持っていました。すそ野の広さが、このような状況をつくり出した一因ですが、一般の映画の模倣、批判、逸脱にアマチュア指向や大いなる創意が加わり、それは多様で独特の作品群を創出していきます。「自主映画」は、時には崩壊しつつある撮影所に代わる映画監督の登竜門的役割を担い、またそれ自体が独自のジャンルとして展開していきました。
今回上映する作品が制作された、1980年代末から1990年代は、家庭用動画メディアが完全にヴィデオに取って代わられていた時代です。8ミリによる自主映画はジャンルとして根強く残っていましたが、かつての隆盛はなくなりつつある時期です。この時期敢えて8ミリで長編映画を撮ることには特別な意思が必要です。
今回とりあげる作品は、本質的には実験映画・個人映画の文脈で語られるべき映画ですが、自主映画の文脈を自覚的に参照することにより、複雑な肌理を示しています。そこには、映画という形式に対する鋭い批評性と深い愛情が込められています。この豊かな表現世界をご覧いただき、楽しんでいただけたらと思います。

主催
国立国際美術館
協賛
公益財団法人ダイキン工業現代美術振興財団
協力
イメージフォーラム
開催日
2017年10月14日(土)、15日(日)

Aプログラム

  • 山崎幹夫《極星》(1987年)

Bプログラム

  • 山崎幹夫《猫夜》(1992年)

Cプログラム

  • 帯谷有理《毛髪歌劇》(1992年)

Dプログラム

  • 山崎幹夫《虚港》(1996年)
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