会期:
2017年1月28日(土)―4月16日(日)
ルカス・クラーナハ(父、1472-1553年)は、ヴィッテンベルクの宮廷画家として名を馳せた、ドイツ・ルネサンスを代表する芸術家です。大型の工房を開設して絵画の大量生産を行うなど、先駆的なビジネス感覚を備えていた彼は、一方でマルティン・ルターにはじまる宗教改革にも、きわめて深く関与しました。けれども、この画家の名を何よりも忘れがたいものにしているのは、ユディトやサロメ、ヴィーナスやルクレティアといった物語上のヒロインたちを、特異というほかないエロティシズムで描きだしたイメージの数々でしょう。艶っぽくも醒めた、蠱惑的でありながら軽妙なそれらの女性像は、当時の鑑賞者だけでなく、遠く後世の人々をも強く魅了してきました。
日本初のクラーナハ展となる本展では、そうした画家の芸術の全貌を明らかにすると同時に、彼の死後、近現代におけるその影響にも迫ります。1517年に開始された宗教改革から、ちょうど500年を数える2016-17年に開催されるこの展覧会は、クラーナハの絵画が時を超えて放つ「誘惑」を体感する、またとない場となるはずです。
《ホロフェルネスの首を持つユディト》ルカス・クラーナハ(父) 1525/1530年頃
ウィーン美術史美術館 ©KHM-Museumsverband
《不釣り合いなカップル》ルカス・クラーナハ(父) 1530/1540年頃
ウィーン美術史美術館 ©KHM- Museumsverband
《ロトとその娘たち》ルカス・クラーナハ(父) 1528年
ウィーン美術史美術館 ©KHM- Museumsverband
《アダムとイヴ(堕罪)》ルカス・クラーナハ(父) 1537年
ウィーン美術史美術館 ©KHM- Museumsverband
《マルティン・ルター》ルカス・クラーナハ(父) 1525年
プリストル市立美術館 ©Bristol Museums,Galleries&Archives
《泉のニンフ》ルカス・クラーナハ(父) 1537年以降
ワシントン・ナショナル・ギャラリー ©Courtesy National Gallery of Art, Washington
《正義の寓意(ユスティティア)》ルカス・クラーナハ(父) 1537年
個人像
《アンナ・フォン・デーネマルク》ルカス・クラーナハ(子) 1565年以降
ウィーン美術史美術館 ©KHM-Museumsverband
《ザクセン選帝侯アウグスト》 ルカス・クラーナハ(子) 1565年以降
ウィーン美術史美術館 ©KHM- Museumsverband
クラーナハ展 講演会
講師:山梨俊夫(国立国際美術館 館長)
クラーナハ展 ギャラリー・トーク
講師:福元崇志(国立国際美術館 研究員)
クラーナハ展 アーティスト・トーク
講師:坂本夏子(画家)
クラーナハ展 ギャラリー・トーク
講師:福元崇志(国立国際美術館 研究員)
開館時間
10:00~17:00、金曜日は19:00まで (入場は閉館の30分前まで)
休館日
月曜日、3月20日(月・祝)は開館、翌日(3月21日)は休館
観覧料
一般 1,600(1,400)円 大学生 1,200(1,000)円 高校生 600(500)円