会期:
2014年2月1日(土)~5月11日(日)
ドイツの現代写真を代表する写真家、アンドレアス・グルスキー(1955年-)による日本初の個展を開催します。ドイツ写真の伝統から出発したグルスキーは、プリントの大型化をリードし、またデジタル化が進んだ現代社会に相応しい、すべてが等価に広がる独特の視覚世界を構築し、国際的な注目を集めてきました。
本展覧会には、1980年代の初期作品に始まり、《99セント》(1999年)、《ライン川Ⅱ》(1999年)、《シカゴ商品取引所Ⅲ》(1999年)、《F1ピットストップⅣ》(2007年)、《ピョンヤンⅠ》(2007年)、日本で撮影した《東京証券取引所》(1990年)や《カミオカンデ》(2007年)といった代表作から、最新作《カタール》(2012年)にいたるまで、グルスキー自身が厳選した約50点の作品が一堂に会します。衛星からの画像を基にした「オーシャン」シリーズ(2010年)や、川面を写す「バンコク」シリーズ(2011年)など、その作品は近年ますますコンセプチュアルな様相を強めています。同時に、まるで抽象絵画のような写真は、写真を使った画家とも言えるグルスキーが開拓した新たな境地を伝えています。
展示会場は、初期から今日までを回顧する年代順ではなく、独自の方法にしたがって構成されます。初期作品と新作、そして、大小さまざまな写真を並置する斬新な展示は、個々の写真を際立たせるとともに、展示室全体を一つの完璧な作品のようにも見せることでしょう。この比類のない展示により、グルスキーの写真世界の魅力を余すところなくご紹介します。
アンドレアス・グルスキー展 講演会
「アンドレアス・グルスキーの理想郷」
講師:竹内万里子(国立国際美術館 客員研究員)
アンドレアス・グルスキー展 ギャラリートーク
― 大阪市立科学館共同企画
講師:大倉宏(大阪市立科学館 学芸員(物理学))
※午後1時30分から聴講用ワイヤレス受信機貸出
※無料(要本展観覧券)・先着90名
国立国際美術館と大阪市立科学館は中之島の地に隣り合っています。「芸術」と「科学」を専門とする2館が、初めて共同で企画したイベントです。
アンドレアス・グルスキー展に展示中の《カミオカンデ》(2007年)は、岐阜県飛騨市神岡鉱山内の地下1000メートルにあるニュートリノ検出装置・スーパーカミオカンデを題材にしています。
物理学者・小柴昌俊さんがノーベル賞を受賞した研究で科学成果をあげニュートリノ検出装置・カミオカンデを高性能化させたものがスーパーカミオカンデです。
日本が世界に誇る実験装置、カミオカンデとスーパーカミオカンデ。果たしてそれらはどのようなものなのでしょうか?
そして、どれほど意義のある科学成果をあげたのでしょうか?
また、大阪市立科学館に展示しているカミオカンデのパーツとは?
実際にカミオカンデの中に入ったこともある「科学館のカミオカンデ担当」の大倉宏学芸員がご紹介します。
アンドレアス・グルスキー展 ギャラリートーク
講師:植松由佳(国立国際美術館 主任研究員)
開館時間
午前10時~午後5時、金曜日は午後7時まで (入場は閉館の30分前まで)
休館日
月曜日。ただし、4月28日(月)、5月5日(月・祝)は開館。
観覧料
当日:一般1,500円/大学生1,200円/高校生800円
前売:一般1,400円/大学生1,100円/高校生700円(前売販売終了)
団体:一般1,300円/大学生1,000円/高校生600円