会期:
2009年10月10日~12月13日
長澤英俊はイタリアを拠点に活躍する世界的な彫刻家です。1940年に旧満州(現中国東北部)で生まれた長澤は、母の故郷の埼玉県川島町で育ち、県立川越高校、多摩美術大学で学びました。在学中から旅を繰り返していた長澤は、その後、1966年に日本を発って東南アジア、中近東を自転車で横断。1年後に到着したミラノにそのまま住みつき、同時代のイタリアの芸術家と交流しながら本格的な活動を始めます。
長澤は最初期にはオブジェによる観念的な作品などを制作していましたが、1970年代に入ると大理石やブロンズといった素材を用いて彫刻的な表現へと向かいます。彫刻の原点を問い直すような制作を通して、次第に長澤の独創的な手法が生み出され、豊穣なイメージと壮大な構想を感じさせる作品へと結実していきます。それらの作品はヨーロッパで高く評価されるようになり、ヴェネチア・ビエンナーレやドクメンタなどの主要な国際展でもたびたび紹介されてきました。また、近年では重力や力学の原理を応用しながら、独特な構造で成り立つ作品も手がけています。
本展は、会場の展示空間を生かして作者自身が練ったプランをもとに、1970年代以降の代表作を振り返りながら、全長18メートルにおよぶ近年の大作《オーロラの向かう所−柱の森》なども含め、代表作約20点によって展観します。長澤英俊の芸術の魅力を堪能し、その神髄に触れることのできる、またとない機会となるでしょう。
《オーロラの向かう所—柱の森》 2008年
Photo: ©Aurelio Amendola
《舟》 1980–81年
《二つの円錐》 2002年
《二つの石》 1972年 Mario Pieroni, Rome, Courtesy Ram
《縦の目》 2007年
開館時間
午前10時—午後5時、金曜日は午後7時まで (入館は閉館の30分前まで)
休館日
毎週月曜日 (ただし10月12日(月・祝)、11月23日(月・祝)は開館、
10月13日(火)、11月24日(火)は休館)
観覧料
当日: 一般 850円/大学生 450円
前売: 一般 700円/大学生 350円
団体: 一般 600円/大学生 250円