会期:
2007年10月2日~12月2日
「皮膚」は、私たちの姿を形作っている「覆い」であると同時に、切られ刻まれ、塗られ描かれる「表面」でもあります。また私たちは、外からの刺激を受容する感覚器官としての「皮膚」を通して、世界と触れ合っています。「皮膚」は、私たちが生きていく上で欠かすことのできない重要な役割を担っています。
現代美術においても、自らの整形手術をパフォーマンスにするオルランや、身体を昆虫でびっしりと覆うドレスを作るヤン・ファーブル、遠く離れた恋人同士のスキンシップをテーマとする林智子など、多くのアーティストたちが、そのような「皮膚」へとアプローチする様々な表現を行っています。
それらは、「皮膚」が持つ脆さや、世界との関係を通して、人間存在の在り方を問うものでもあり、かつまた、美術作品における「表面」の問題を見つめ直す試みでもあります。
この展覧会では、ヨーロッパ、アジア、アメリカからの11作家による1990年代以降の作品を紹介しながら、現代美術がどのように「皮膚」と向きあってきたかを探っていきます。
マーク・クイン 《悟りへの道》 2006年
ブロンズ、ラッカー 作家蔵 ©Marc Quinn
ヤン・ファーブル 《昇りゆく天使たちの壁》 1993年
玉虫、金網 金沢21世紀美術館蔵 ©Jan Fabre
イ・ドンウ 《アディダス・ボーイ》 2004年
ミクストメディア アラリオ・コレクション蔵 ©ARARIO COLLECTION
小谷元彦 《SP2 New Born Viper A》 制作年未公表
Courtesy of YAMAMOTO GENDAI
フィリップ・ブロフィ 《可塑的身体》 2002-2004年
映像・音響インスタレーション ©Philip Brophy
レスリー・ディル 《渇望と欲望》 1998年 写真、ワックス、油
Courtesy of Artist and George Adams Gallery, New York, NY
現代美術の皮膚 アーティスト・トーク
現代美術の皮膚 講演会
「芸術の皮膚論の地平」
講師:谷川 渥(國學院大學教授)
現代美術の皮膚 ギャラリートーク
(担当学芸員による作品解説)
開館時間
午前10時-午後5時、金曜日は午後7時まで(入館は閉館の30分前まで)
休館日
毎週月曜日、ただし10月8日(月・祝)は開館、10月9日(火)は休館
観覧料
当日:一般 830円/大学生 450円/高生 250円
前売:一般 700円/大学生 350円/高校生 200円
団体:一般 560円/大学生 250円/高校生 130円