様々なる祖型 杉本博司 新収蔵作品展

会期: 2007年4月7日~6月24日

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杉本博司は、1948年東京に生まれ、74年からニューヨークで写真作品の制作を開始しました。 代表作には、記録写真のように見える、原始時代を再現した作り物の写真『ジオラマ』や、画面上半分が空で下半分が海の、恒久的イメージの写真『海景』などがあります。 近年の杉本は、写真作品の回顧展と、写真作品と古美術品を一緒に展示する展覧会を、世界中に巡回させるなど、華々しい活躍をしています。
当館では2005年度に、『建築』シリーズ6点と『観念の形』シリーズ5点の計11点を収蔵することが出来ました。公開にあたり、 展示方法のアイデアを求めて作者に相談を持ちかけたところ、すでに所蔵していた『肖像写真』シリーズからの1点を加えた、12点によるこの展覧会を開催する運びとなりました。
杉本は90年代末から様々な意味で飛躍を果たしました。その間の活動の中心に位置づけられるのが、今回展示される3つのシリーズです。『肖像写真』は、 絵画を元にした蝋人形を肖像画風に撮影した精彩ある肖像写真。『建築』は、現代の名建築の象徴的イメージをぼけた写真として撮影し、その本質を浮かび上がらせています。 『観念の形』は、三次関数の数式を立体化した小さな模型を堂々とした写真に仕上げています。
これら3つのシリーズは、これまでの杉本の写真作品と繋がりつつ、それら自体でまとまりがあり、また近年の活動の充実ぶりを示しています。 『肖像写真』と『建築』は、既知の芸術作品を独創的方法で撮影し、一貫した関心を新しい形で表現しています。『観念の形』は、 見えないはずの世界を肖像画風に撮影したもので、『肖像写真』のみならず、建築家の抱いていたイメージの再現と言える『建築』とも繋がっています。 また、これら近年の作品群は、大きくプリントされ、杉本の写真作品を従来にも増して魅力的に見せているでしょう。
本展は、変則的な新収蔵品展であり、90年代末からの杉本を本格的に紹介する展覧会ではありませんが、展示プランが作者自身による点が魅力として加わり、 現在の杉本博司に触れる貴重な機会となっています。

展示作品

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ウィリアム・シェイクスピア 1999年
ゼラチン・シルバー・プリント 149.2×119.4 cm
© Hiroshi Sugimoto / Courtesy of Gallery Koyanagi

数学的形体:曲面0002 2004年
ゼラチン・シルバー・プリント 149.2×119.4 cm
© Hiroshi Sugimoto / Courtesy of Gallery Koyanagi

聖ベネディクト教会 (建築家:ピーター・ズントー) 2000/01年
ゼラチン・シルバー・プリント 149.2×119.4 cm
© Hiroshi Sugimoto / Courtesy of Gallery Koyanagi

数学的形体:曲面0009 2004年
ゼラチン・シルバー・プリント 149.2×119.4 cm
© Hiroshi Sugimoto / Courtesy of Gallery Koyanagi

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開館時間

午前10時-午後5時、金曜日は午後7時まで(入館は閉館の30分前まで)

休館日

毎週月曜日(ただし4月30日(月・祝)は開館)

観覧料

一般420(210)円、大学生130(70)円、高校生70(40)円

  • ※( )内は20名以上の団体料金。
  • ※中学生以下、満65歳以上、心身に障害のある方とその付添者1名は無料。
    (証明できるものをご提示いただく場合があります)
  • ※本料金で同時開催の「コレクション1」もご覧いただけます。
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