会期:
2005年8月2日~10月10日
20世紀末から21世紀初頭にかけてまさに激動の時代を体験している、中東欧地域(ポーランド、チェコ、スロヴァキア、ハンガリー)の現代美術を紹介することが本展覧会の目的です。これまでにも、この地域の現代美術を含む展覧会は開催されたことがありますが、主として90年代以降に焦点を絞った本展覧会は日本で初めての試みです。
1989年、旧東欧諸国では雪崩を打って社会主義体制が崩壊しました。そして2004年5月には、上記4カ国を含む10ヵ国がEUへの加盟を果たしました。古い価値体系が覆された後にやってきたのは、必ずしもユートピアという訳ではありませんでした。弱者救済の措置が十分に執られることもないまま、貧富の差は開く一方だといいます。そのような、いわば「資本主義的ジャングル」の中で生き延びるための様々な戦略が必要とされており、作家たちもまたその例外ではありません。
たとえば、地に根を張る確かさと、臨機応変の柔軟さ、そしてユーモア精神は、そんな今をたくましく生き延びるための技法といえましょう。また、一見超現実的に見えたとしても、実は入念な観察と奥深い洞察に満ちた作品も多く見られます。この展覧会をきっかけとして、極東アジアと中東欧とが相互に影響を与え合い、共鳴する未来、共に生きる世界に向けての模索を行うことができればと期待しています。
パヴェウ・アルトハメル 《母さんと父さん》 2005
映像(参考写真)
アゾロ 《すごく気に入った》 2001
映像 7.30min. 作家蔵
ミロスワフ・バウカ 《1750x760x250, 3x(55x15x24)》 2001
合板、灰、鉄、水のインスタレーション、 1750x760x250, 3x(55x15x24)cm、
作家蔵 © Piotr Ligier
パウリーナ・フィフタ・チエルナ 《ヤルカ はざまに》 2004
映像 7.40min. 作家蔵
クリシュトフ・キンテラ 《トークメン》 1998
音声、ムーヴメント装置、アナログ=デジタル・シンクロナイザー、
金属、ラテックス、衣類など 80 x 40 x 35cm
Courtesy Jiri Svestka Gallery, Prague
ラクネル・アンタル 《ユーロファーム デルモハーバ》 2000
ポリエステル樹脂、デジタル出力
45x57x27, 100x200(panel)cm 作家蔵
イロナ・ネーメト 《個人婦人科診療所》 1997
婦人科診察台、兎毛皮、ヴェルヴェット、苔、各72x112x112 cm
ルドヴィヒ美術館(ブダペスト)蔵
ミーラ・プレスロヴァー 《梱包されて》 2002
写真、150x100cm 作家蔵
セープファルヴィ・アーグネシュ+ネメシュ・チャバ 《光の家》
2000 ストーリーボード(ミクストメディア) 作家蔵
アルトゥール・ジミエフスキ 《歌のレッスン1》 2001
映像 14min. courtesy Foksal Gallery Foundation
こどものためのワークショップ
(小学生対象)
こどものためのワークショップ
(中学生対象)
講演会
「前衛という宿命-20世紀ポーランド美術をふりかえって」
関口時正氏(東京外国語大学教授)
転換期の作法展ギャラリートーク
(担当学芸員による作品解説)
転換期の作法展ギャラリートーク
(担当学芸員による作品解説)
ヴィデオ上映
チェコアニメ
講演会
「転形する中欧」 小島亮氏(中部大学教授)
開館時間
午前10時~午後5時、金曜日は午後7時(入館は30分前まで)
休館日
毎週月曜日(ただし9月19日[月・祝]、10月10日[月・祝]は開館、翌9月20日[火]、10月11日[火]は休館)
観覧料
当日:一般830円/大学生450円/高校生250円
団体:一般560円/大学生250円/高校生130円