会期:
2006年1月7日~4月2日
近年の新収蔵品を中心に
国立国際美術館は、現代美術を扱う国立美術館として1977年に開館して以来、第二次世界大戦後の国内外の現代美術作品を中心に収集を行ってきました。2004年度末時点で収蔵作品点数は5,160点になります。コレクション4では、今年度の新収蔵品を含め、2001年度以降に収蔵された作品を中心に展示します。
1.芸術と日常
1950年代から60年代にかけて、既成の芸術概念からの自由を主張する「反芸術」的動向が現れてきました。当館では、1991年にそのような動向を紹介する「芸術と日常 反芸術/汎芸術」展を開催しました。今年新たに収蔵された篠原有司男の《ボクシング・ペインティング》は、同展において公開制作された作品です。その他、言葉や図式を使った絵画を制作した荒川修作、自己のオブセッションを作品化した草間彌生などを中心に当時の前年表現の一端を振り返ります。
2.欧米の現代美術
ここでは近年の収蔵品から、1990年代以降の欧米の現代美術、特に日用品や既成のイメージから出発して自らの表現方法を確立した作家たちを紹介します。レイチェル・ホワイトリードの氷枕やサイモン・パターソンのイギリスの地下鉄路線図、トニー・クラッグによるサイコロの彫刻など、多様な素材が使用された作品をお楽しみください。
3-4.現代日本の絵画・彫刻
このセクションでは1980年代から現在までの日本の絵画、彫刻をご紹介します。当館では、1987年から2003年まで30歳代から50歳代までの作家の個展を「近作展」として開催してきました。「近作展」は出品作品を近作と新作に絞った中規模の展覧会で、まさに同時代の美術の動きに触れることができるものでした。青木野枝の《Untitled》や東島毅の《FF-012》、小林孝亘の《Forest》やヤノベケンジの一連の作品など、この近作展出品作から収蔵した作品は少なくありません。その多くは結果的に1980年代以降の日本の現代美術の一面を映し出す作品群となっています。
5. 欧米の近代美術
20世紀は美術の歴史を書き換える実験と創造に満ちた時代でした。19世紀の印象派から出発しキュビスムの扉を開いたセザンヌ。抽象絵画という新しい様式を開拓し現代美術の先駆者となったピカソやカンディンスキー、シュルレアリスムの代表的画家エルンストまで、ここでは欧米の近代美術の名品を紹介します。