会期:
2005年2月5日~4月17日
1.世界の現代写真
今日のフランスを代表する美術家ジャン=マルク・ビュスタモントのスイスで撮影した風景写真。戦後ドイツ写真の牽引者ベルント&ヒラ・ベッヒャーの即物的な白黒写真、彼らに学んだトーマス・シュトゥルートによる渋谷の雑踏を撮影した巨大な写真、トーマス・ルフによる知人をニュートラルに写した大型肖像写真、カンディーダ・ヘーファーによるさまざまな場所のロダンの彫刻《カレーの市民》。日本から、杉本博司のロウ人形を撮影した近作2点、畠山直哉の石灰石鉱山のシリーズ。そのほか注目の若手から、小さな人形や土で形作ったイメージを撮影するブラジルのヴィック・ムニーズ、紙で作った原寸大の模型を撮影するドイツのトーマス・デマンドを紹介します。
2.ピカソと20世紀初頭の美術
パブロ・ピカソの初期の名品《道化役者と子供》、キュビスム時代の珍しい風景描写《ポスターのある風景》のほか、静物画と水浴画の2つの側面をもつポール・セザンヌの《宴の準備》、画面の中にもう1つの画面を含むヴァシリー・カンディンスキーの抽象画、シュルレアリスト、マックス・エルンストの典型的な絵画、そしてジョゼフ・コーネルの小さな箱の世界を通して、近代の巨匠たちを紹介します。
3.ヨーロッパの現代絵画
今日のドイツを代表する画家から、絵具の層の重なりが深遠な奥行き感を生みだしているゲルハルト・リヒター、人物を逆さまに描いて画面をまとめあげるゲオルク・バゼリッツの初期作品、その大きさと壁のような絵肌によって特異な存在感を放つアンゼルム・キーファー、社会的なテーマから身近なテーマへと変化したヨルク・インメンドルフの近作のほか、1980年代のイタリア絵画を代表するエンツォ・クッキを紹介します。
4.近現代の彫刻
ロシアのオシップ・ザッキン、イタリアのマリノ・マリーニ、ジャコモ・マンズー、チェッコ・ボナノッテの具象的な人物彫刻。スイスのジャン・アルプ、アメリカのイサム・ノグチの抽象彫刻。そのほか、イギリスのアンソニー・カロによる机に置く鉄の彫刻、白いタイルを使うことで知られるフランスのジャン=ピエール・レイノー、実験で使うペトリ皿からアイデアを得たトニー・クラッグのブロンズ作品を紹介します。