会期:2001年6月21日~7月22日
鉄を素材に、自らの身体や身辺を題材とした特異な立体作品の制作で知られる彫刻家宮崎豊治。この展覧会は、宮崎の主に1980年代以降の作品を紹介したものである。
宮崎豊治は、1946年石川県金沢市生まれ。金沢美術工芸大学美術学部彫刻科を卒業後、神戸に拠点を移し、以後現在にいたるまで関西を中心に制作、発表を続けている。
1970年代の後半から「身辺モデル」と題する、鉄を素材とした彫刻作品の制作を開始。作家自身のさまざまな身体部位のサイズを作品に組み込んだり、自らを取り巻く環境や風景など、私的な記憶や感覚をもとにした作品で注目を集めた。
1980年代の後半からは「眼下の庭」のシリーズが開始され、主観的な時空間感覚によって変容された、より深い作品世界が出現する。本展覧会では、これら従来の制作の延長上に位置付けられることとなる新作とドローイング作品、鉄の作品に移行する以前の木による作品もあわせて彫刻49点とドローイング約 50点を展示し、宮崎の創作活動の全貌を明らかにした。
会期中には、大阪教育大学教授の田中恒子氏を招いての対談を開催するなど、多角的な視点から作品を取り上げ、現代彫刻のひとつのすぐれた実例を、広く来館者の鑑賞に供した。
※「宮崎豊治」の「崎」は、正確には山へんに立・可