会期:1999年9月9日~10月11日
現代版画が誕生するのは1950年前後であり、その大きな舞台となったのは1957年から開催された東京国際版画ビエンナーレ展という、日本で最初の国際版画展だと言われている。版画イコール木版というこれまでの考え方から、リトグラフ、銅版画、シルクスクリーンなどの新しい技法によって泉茂、吉原英雄、木村光佑、黒崎彰といった新世代の作家たちが次々に受賞し日本の現代美術界に版画の時代を築き上げた。また、1970年代には版画の可能性を問うような動きが生まれ「版画概念の拡大」が唱えられるようになった。特に関西においては「マキシ・グラフィカ」という運動のもとに、これまでの版サイズを超えた巨大な作品や様々な技法や素材による版表現の試みがなされ、版画と絵画の領域を越えるような表現が生まれた。
本展では、以上のような現代版画の様々な表現を関西の作家を中心に紹介した。
出品作家 泉茂、山中嘉一、吉原英雄、船井裕、木村光佑、齋藤智、松谷武判、黒崎彰、郭徳俊、中馬泰文、井田照一、坪井政彦、北辻良央、木村秀樹、安東奈々、田中孝、一圓達夫、山本容子、秋岡美帆、出原司、飯塚二郎