会期:1995年12月14日~1996年 2月27日
現代美術の世界では、今日、ドイツが高く評価されている。1980年頃に始まったこの機運の主役は、ドイツ北西部のデュッセルドルフを拠点に活動し、同市の芸術アカデミーの教授だったヨーゼフ・ボイス(1921−86)および彼に教えを受けたか周辺にいたアーティストたちである。こうした者たちの活動および作品については、すでに日本にも何度か紹介されており、当館でも1990年にヨーゼフ・ボイス、92年にヨルク・インメンドルフの個展を開催した。
本展は、ドイツに現代美術を開花させたアーティストたちと、その弟子にあたり今後が嘱望される若いアーティストの作品を併置し、ボイス以降現在に至るドイツ美術の展開を確認するものであった。
出品者は20名、すべてデュッセルドルフ芸術アカデミーの出身者であり、ドイツの現代美術を隆盛に導いた者の中からは、その中心であったボイス、ゲルハルト・リヒター、ベルント&ヒラ・ベッヒャー、ジグマール・ポルケ。今後の活躍が期待される若手からは、リヒターの弟子のミヒャエル・バッハ、アンドレーアス・シェーン、ミヒャエル・ファン・オーフェン、カーリン・クネフェル、トーマス・シュッテ。またベッヒャーの弟子のアクセル・ヒュッテ、アンドレアス・グルスキー、トーマス・ルフ。ボイスとの関係から、ライナー・ルーテンベックと、ラインハルト・ミュシャ。さらにノルベルト・タドイス、エルンスト・ヘッセ、ヴォルフガング・シュナイダー、トーマス・フーバー、カタリーナ・フリッチュ、ディルク・スクレーバーらが出品した。
出品作品総数73点。その多くが日本で初めて一般公開されるものであった。