会期:1994年11月10日~11月15日
中堅作家の近作を個展形式で紹介する「近作展」シリーズの第16回展。今回はイギリスの実験映画作家デヴィット・フィンチのフィルムとヴィデオを上映。幼時の記憶や家族を主題にした作品が中心だが、アンデルセンの童話に触発された物語性の強い初期の《ザ・フライング・トランク》(1987)から、家族や親兄弟をドキュメンタリ−風に撮った近作《石の階段》(1992)、それに新作《火祭》(1994)まで7作品(約90分)。実験映画ではあるが、実験のための実験ではなく、むしろ映像というものが本来持っていたであろう喚起力や生命力を回復させようとするものである。
今回は、映像作品のため、会期は6日間と短いものだったが、会期中に作者の講演会を開催した。なお、本展は国際交流展「内藤礼展」(1993年、北ウェールズ)の交換展として開催した。