会期:1994年8月18日~11月29日
近作展は、通常一名の作家の近作を個展形式で紹介するシリーズであるが、今回は特別に京都の現代染色造形を代表する現役作家の中で長老的存在といえる四作家によるグループ展とした。大正時代生まれのこの四作家はともに、明治時代生まれの優れた指導者であり、作家であった山鹿清華、皆川月華、小合友之助、稲垣稔次郎たちの業績の後継者であり、また次の世代の指導者として活躍している。蝋纈染めの佐野猛夫、三浦景生、来野月乙、型染めの伊砂利彦はそれぞれ伝統技法と独自に開拓した技法を駆使しながら、近代から現代へと続く工芸美術の発展と革新に貢献してきたの作家たちである。
この展覧会はほぼ同期間に当館で開催した「現代の染め」展の併催展として企画したものであり、相互が補完して近代から現代への染色造形の展開を示す目的をもっていた。 本展は1階展示場を使用し、四作家の近作を中心に60点を展示した。