会期:1994年 2月12日~3月27日
当館では、「ミニマル・アート」展(1990年)のとき、セラの立体作品を何点か展示したが、今回は、ドローイングと版画を展示する。セラの場合も、ドローイングは、完成作のための習作にとどまっていない。画家から出発したこともあって、描くことは、セラにとって格別の意味をもっているのである。オイルスティックによって濃密に描かれたドローイングにも、大型の版画にも色彩はないが、その代わり、従来の平面作品には見られない「重さ」とでもいうべきものがある。本展は、そうしたセラのドローイングと版画を集めた、日本の美術館ではじめての個展である。