10月20日にオンライン鑑賞プログラム「こどもノビノビおしゃべりオンライン」、「だれでもワイワイおしゃべりオンライン」を開催しました。今回は、オンラインならではの環境を活かして、5都府県から11名が参加しました。
プログラムは、参加者の自己紹介からスタートしました。自己紹介では、お名前と住んでいる場所と合わせて、これから見る作品に関連して、それぞれの参加者が「いつも見ている景色」について話しました。その後、美術館の紹介を含めた短いイントロダクションを経て、本題の作品を見ながらのおしゃべりへと進みました。
今回は、小学1年生から6年生が対象の「こどもノビノビおしゃべりオンライン」、だれもが参加できる「だれでもワイワイおしゃべりオンライン」の両回ともに、須藤由希子《家と駐車場》(2007年)、木村忠太《南仏の六月》(1980年)の順に作品を見て、おしゃべりしました。
「こどもノビノビおしゃべりオンライン」では、《家と駐車場》の作品の中に描かれているものを話すことから始めました。ある程度、見つけた後、美術館スタッフから作品の色について気づくことはあるかと質問しました。ある子は、白と黒で構成された作品を見て「白黒で昔な感じがする。だけど、昔(写真が白黒の時代)なら車はないはず、これは本当の写真ですか?」と話しました。それを受けて、美術館スタッフが子どもたちに「これは写真かな?」と問いかけると、他の子は、作品の中の木の描き方に着目して、絵ではないかと話しました。
また、同作を見ながらのおしゃべりの終盤では、ある子が「家や学校の窓に灯りがない」「灯りがあるなら影があるはず」と話し、他の子はその発言を受けて、太陽がないから影がないのではないかと話しました。参加者同士の発言をつなぐ美術館スタッフからの発言や質問を挟みつつも、作品を観察した上で、参加者同士がお互いの話したことから考え、話す姿が時々見られました。
「だれでもワイワイおしゃべりオンライン」では、《南仏の六月》でのおしゃべりが始まってしばらくして、美術館スタッフから、《家と駐車場》に引き続き、この作品も風景を描いていることを伝えました。それを聞いて、驚きの表情を浮かべる参加者もいれば、「何だこれと思った」と率直に印象を話す参加者、色面と線で構成され、描かれているモチーフが何であるかを言葉にするのが難しい同作に少し戸惑っている様子の参加者もいました。
その後、美術館スタッフから作家情報に加えて、南フランスの風景を描いていると伝えると作品の感じ方への変化が見られ、ある参加者は「光を感じる。さっきの絵(《家と駐車場》)からは光が感じられなかった。南仏の白い家、青と黄色の花々、塗りこめられた下に何があるのか、とても面白い感じ」と話し、別の参加者は「さっきの絵(《家と駐車場》)は、天気とか感じなかったが、《南仏の六月》には、お天気なのかどうか、暖かい風が吹いているのかどうかなどを思う。風が吹いていて、葉っぱがなびいている」と感じたことを話しました。同回のおしゃべりでは、両方の作品が風景を描いていると聞いて、参加者がごく自然に二つの作品を比べながら様々な気づきを得て、さらに作品や作家についての情報を手掛かりに想像を膨らませて、おしゃべりしていました。
オンラインでご参加いただいたみなさん、ありがとうございました。風景を描いた作品や風景をテーマにした展覧会は、全国の様々な美術館で見ることができると思います。ぜひ、お近くの美術館でも、作品を楽しんでもらえたら嬉しいです。ご参加いただいたみなさん、ありがとうございました。 [K.Y]
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2024年10月20日(日)
10:30~11:30 こどもノビノビおしゃべりオンライン 対象:小学1年〜6年生
14:00~15:00 だれでもワイワイおしゃべりオンライン 対象:どなたでも
いずれも定員8名
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