国立国際美術館

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学校団体鑑賞

アサンプション国際小学校

2024年5月2日(木)

5月2日にアサンプション国際小学校の6年生56名が来館しました。

地下1階のエントランスロビーで、3グループに分かれて、当館の建物の特徴や館内でのルールについて、スタッフが簡単にレクチャーした後、地下3階の「古代メキシコ-マヤ、アステカ、テオティワカン」展(2月6日~5月6日開催、以下、古代メキシコ展)を鑑賞しました。
展示室に入る前のにぎやかな声も、作品を見ることに集中していく中で、自然と作品鑑賞に適したボリュームに変化していきました。子どもたちは遠い国で古い時代につくられた作品に興味津々の様子で、テオティワカン文明の《死のディスク石彫》(300~550年、メキシコ国立人類学博物館蔵)の前では、その大きさに圧倒され、「すごく大きい!」「重いのかな?」と友達同士で話している姿が見られました。マヤ文明の《赤の女王のマスク》(7世紀後半、アルベルト・ルス・ルイリエ パレンケ遺跡博物館蔵)の前では、「これ、メキシコから持ってきたの?本物?」と遠く離れた国からはるばる運ばれてきた作品を間近で見ていることに驚いている子もいました。会期終盤ともあって、展示室内はとても混雑していましたが、子どもたちは自分のペースで鑑賞を進めていました。

古代メキシコ展の鑑賞が終わった子から、鑑賞サポートツール『アクティヴィティ・ブック』(※)を活用して、地下1階と地下2階に展示されている恒久設置作品を鑑賞しました。まずは、『アクティヴィティ・ブック』の巻頭に掲載されている「ミッション・シート」に取り組みました。自分自身に美術館でのミッションを指令するという内容ですが、今回は、当校の6年生の通年のテーマである「平和」を深めるために、「平和」を感じる作品を選ぶというミッションが学校から出されていました。ジョアン・ミロ《無垢の笑い》(1969年)やアレクサンダー・コールダー《ロンドン》(1962年)など、子どもたちは1点1点作品を観察して、自分なりに平和を感じる作品を探していました。須田悦弘《チューリップ》(2006年)が展示されている柱の前に集まっていた子どもたちのうちの1人は、「先生が(恒久設置)作品は6つあって、1つは見つけにくい場所にあるよって言っていた。たぶんこれがそれだと思う!」と嬉しそうに話していました。ある子は、平和を感じる作品としてこの作品を選び、「戦争していたら全てが焼けてしまい、こんなチューリップも咲いていないはずだから」と述べていました。他にも、子どもたちは、30種類のアクティヴィティの中から自由にアクティヴィティを選び、取り組みました。気になった作品をスケッチし、その作品がどうして気になったのか理由をメモする「07 気になるもの」には、数人がマーク・マンダース《乾いた土の頭部》(2015-16年)を選び、何でつくられているのか、どうして顔の半分がないのか、興味を引かれたようでした。中には、「平和」というテーマとアクティヴィティの1つである「28 ツアコン」(ツアーコンダクターになりきって、美術館のおすすめの周り方を考えるアクティヴィティ)を絡めて考え、ツアーの名前を「平和と自由のアートのたび」と名付けて、恒久設置作品の見る順番を考えている子もいました。
恒久設置作品鑑賞後には、再度古代メキシコ展に戻る姿も多くあり、地下1階から地下3階まで何度も行き来しながら、心行くまで作品鑑賞を楽しんでいました。

アサンプション国際小学校のみなさん、ご来館ありがとうございました。またのご来館お待ちしています。[F.A]

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