1月27日にオンライン鑑賞プログラム「こどもノビノビおしゃべりオンライン」、「だれでもワイワイおしゃべりオンライン」を開催しました。今回は、関西圏を中心に5都道府県から9名が参加しました。
これまで各種オンラインびじゅつあー(※)で行ってきた対話による鑑賞をベースに、自宅というリラックスできる環境を活かしながら、作品を介したおしゃべりを楽しむことに重きを置き、プログラム名も新たに実施しました。
今回は、両プログラムともに「コレクション2 身体———身体」展(2024年2月6日〜5月6日開催)の出品作品である、やなぎみわ《My Grandmothers: AI》(2003年)とフェリックス・ゴンザレス=トレス《「無題」(ラスト・ライト)》(1993年)を見て、おしゃべりをしました。
小学1年生から6年生までを対象にした「こどもノビノビおしゃべりオンライン」では、やなぎみわ《My Grandmothers: AI》が映し出されると、子ども達は前のめりになって画面に近づきながら作品を観察しました。はじめこそ、それぞれが見つけたことを口々に話していましたが、次第に登場人物が持つモチーフや表情、その周りの様子などに対しての互いの発見、発言をつなげて、みんなで見ているからこその想像を膨らませていきました。ある子の「持ち物や服装からおばあちゃん(登場人物)は占い師ではないか」という発言をきっかけに、おばあちゃんの周りにいる登場人物の心情を想像するなどして、作品に秘められたストーリーに迫るようなおしゃべりに展開するシーンもありました。
対象となる年齢を制限しない「だれでもワイワイおしゃべりオンライン」では、フェリックス・ゴンザレス=トレス《「無題」(ラスト・ライト)》が画面に登場するなり、小学生の参加者は「社会でならった漁みたい」、「1本にたくさんの物が等間隔につけられているところが似ている」と自身の知識と結びつけて見ながら、電球が等間隔でつけられていることを発見していました。その一方で、50代の参加者は、電球はいずれは消えるというところから死を連想し、「電球が命そのもので、1人1人の思いが上にあがっていくイメージ」と話し、その発言を受けて30代の参加者は「私は下がっていくイメージ、床の方にたまっていく感じ、ぬくもりを感じてみんなで温まっているよう」と話しました。作品から感じたことをおしゃべりしながら作家がどんなことを表現しようとしたのか思いを巡らす中で、別の50代の参加者が気負うことなく「電球、ただそれだけに見える」と発言し、なぜ、電球、ただそれだけにしか見えないものを使って作品を作っているのかを、それぞれが今一度考える機会もありました。個々におしゃべりしたいことをおしゃべりしているようでありながら、互いの感じたことを否定せず、ゆるやかなつながりを保ちながらのおしゃべりとなりました。
オンラインでご参加いただいたみなさん、ありがとうございました。ぜひ、実際の作品を見に当館に足を運んで、おしゃべりの続きを楽しんでもらえたら嬉しいです。ご来館お待ちしています。[K.Y]
※各種オンラインびじゅつあーについてはこちらから
---
2024年1月27日(土)
10:30~11:30 こどもノビノビおしゃべりオンライン 対象:小学1年〜6年生
14:00~15:00 だれでもワイワイおしゃべりオンライン 対象:どなたでも
いずれも定員8名
---

