第15回中之島映像劇場 松本俊夫の軌跡:記録・幻想・実験
2017年4月、映像作家・松本俊夫がこの世を去りました。85歳でした。松本は作家としてドキュメンタリー、劇映画、実験映画、ヴィデオアート、インスタレーションなど、様々な表現形式の作品を手がけています。それはそれぞれの時代における表現の潮流に挑むという以上に、自分自身がひとつのところに留まることを良しとしない松本の創作活動がもたらした結果でもあります。また同時に、理論家・批評家として映像理論・芸術思想の分野で、重要な著作と発言を行っています。特に1963年に出版された評論集『映像の発見―アヴァンギャルドとドキュメンタリー』は大きなインパクトを世に与え、同時代及びその後の映像表現の流れに大きな影響を与えています。今回の特集上映では、松本俊夫の膨大な作品群の中から、比較的上映機会の少ない映像作品を紹介いたします。松本俊夫のその映像世界を理解する一助になればと思います。
- 主催
- 国立国際美術館、東京国立近代美術館フィルムセンター
- 協賛
- 公益財団法人ダイキン工業現代美術振興財団
- 協力
- イメージフォーラム
- 開催日
- 2018年3月10日(土)、11日(日)
Aプログラム:「映像の発見:記録と前衛」
- 《銀輪》(1956年)
- 《安保条約》(1959年)
- 《西陣》(1961年)
- 《石の詩》(1963年)
Bプログラム:「拡張と実験 1970年代前期」
- 《オートノミー=自律性》(1972年)
- 《モナ・リザ》(1973年)
- 《フライ=飛ぶ》(1974年)
- 《青女》(1975年)
- 《コミュニティライフ》(1972年)
Cプログラム:「幻視と眩暈 1970年代後期」
- 《ブラックホール》(1977年)
- 《ホワイト・ホール》(1979年)
- 《氣=BREATHING》(1980年)
- 《凧》(1976年)
Dプログラム:「構造と解体 1980年代」
- 《シフト=断層》(1982年)
- 《フォーメーション=形成》(1983年)
- 《ウェーブ》(1984年)
- 《エングラム=記憶痕跡》(1987年)
- 《OLD/NEW=気配》(1990年)