第3回中之島映像劇場
全体芸術の試み 無声映画+音楽演奏+弁士の語り
—東京国立近代美術館フィルムセンター所蔵作品による—
第3回「中之島映像劇場」では、東京国立近代美術館フィルムセンターとの共催により、音楽と弁士による説明(活弁)とを伴った形で、センター所蔵の古典的名作を35mmフィルムで上映します。いにしえの無声映画全盛期の再現となるでしょう。
美術館の企画として、これはさらに別の意味を持つといえます。
1922年、イタリア生まれの映画人、リチョット・カニュードは有名な「七つの芸術宣言」を著し、その中で「他の全ての芸術が絶えず向かっていた全体芸術を創造するために、映画を必要とする」と述べました。建築と音楽があり、それぞれが絵画と彫刻、詩と舞踏をたずさえている。そして映画こそ、これらを並行させる「第七芸術」となる。つまり「動く絵」であり、それこそ「リズムを持つ芸術の規範に従って展開する造形芸術」なのです。
私たちは、このようにカニュードが映画(映像メディア)に期待した「全体芸術」のその後の展開を知っています。1960年代以降の「拡張映画(Expanded Cinema)」や1970年大阪万博の数々の実験、そして現在のVJ(ヴィジュアル・ジョッキー)などが挙げられます。今回の企画は、「全体芸術」についての美術館における1つの試み/挑戦です。
- 主催
- 国立国際美術館、東京国立近代美術館フィルムセンター
- 協賛
- (財)ダイキン工業現代美術振興財団
- 協力
- 株式会社マツダ映画社
- 開催日
- 2012年3月24日(土)、25日(日)
Aプログラム
- 伊藤大輔《御誂治郎吉格子(おあつらえじろきちごうし)》(1931年)
Bプログラム
- カール・ハインツ・マルティン《朝から夜中まで》 (1921年)
※全プログラムの音楽を柳下美恵が担当。各日15時の回の活弁を澤登翠が担当。