会期:
2017年4月29日(土)―7月2日(日)
ライアン・ガンダーは、1976年イギリスに生まれ、母国とオランダで美術を学び、2000年代初頭から世界各地で個展を開催するとともにドクメンタなど著名な展覧会にも参加してきました。この芸術家の仕事は、美術作品や普段の生活で遭遇する物事を素材として、オブジェ、インスタレーション、絵画、写真、映像、印刷物などを制作するもので、多彩であり既成の型にはまっていません。
ガンダーの芸術観は、作品だけではなく、作品にまつわる思考をも重視する点に特徴があり、作品は、鑑賞者の想像力を活性化し、新たな思考回路を生み出し、物事の認識を拡張してくれます。制作の背後には、美術全般についての考察、見ることについての洞察、日常経験の分析など、知的な思考が満ちています。手法は、意外なものの結合、架空の状況の設定、情報の部分的な隠蔽、ユーモアの導入、過去と未来への誘導など、一風変わっているようでありながら、理にかない示唆に富んでいます。
本展は、新しいコンセプチュアル・アートの旗手と目される芸術家ライアン・ガンダーの重要作と新作約60点による個展です。タイトルが謎めいているように、展覧会は未知の世界へ誘ってくれるでしょう。同時にガンダーの企画による所蔵作品展(『ライアン・ガンダーによる所蔵作品展 ―かつてない素晴らしい物語』/"The Greatest Story Ever Told ―The Collection curated by Ryan Gander")も開催します。比較して考えるという人間の本能的な能力を前提にして、所蔵品を多数のペアとして紹介しますが、類似に基づきながらもジャンルや時代が異なるため、新鮮な観点を提供してくれるでしょう。全館を使用するこの展覧会は、私たちに視覚芸術の可能性を実感させてくれるに違いありません。
同時開催
ライアン・ガンダーによる所蔵作品展 ―かつてない素晴らしい物語
http://www.nmao.go.jp/exhibition/2017/collection2017-1.html
ライアン・ガンダー《あの最高傑作の女性版》2016年
©Ryan Gander, Courtesy of Lisson Gallery
ライアン・ガンダー《リアリティ・プロデューサー(構造と安定のための演劇的枠組み)》2017年
©Ryan Gander, Courtesy of TARO NASU
ライアン・ガンダー《ひゅん、ひゅん、ひゅうん、ひゅっ、ひゅうううん あるいは同時代的行為の発生の現代的表象と、斜線の動的様相についてのテオとピエトによる論争の物質的図解と、映画の100シーンのためのクロマキー合成の試作の3つの間に》2010年
©Ryan Gander, Courtesy of TARO NASU 石川コレクション、岡山
ライアン・ガンダー《アンパーサンド》2012年
©Ryan Gander, Courtesy of TARO NASU 石川コレクション、岡山
ライアン・ガンダー 『ポートレート・シリーズ』より(参考図版)
©Ryan Gander, Courtesy of TARO NASU
講演会「収集と連想」
講師:ライアン・ガンダー
ライアン・ガンダー展 ギャラリー・トーク
講師:当館研究員
ライアン・ガンダー展 ギャラリー・トーク
講師:当館研究員
ライアン・ガンダー展 ギャラリー・トーク
講師:当館研究員
ライアン・ガンダー展 ギャラリー・トーク
講師:当館研究員
ライアン・ガンダー展 ギャラリー・トーク
講師:当館研究員
ライアン・ガンダー展 ギャラリー・トーク
講師:当館研究員
開館時間
10:00~17:00、金曜日・土曜日は20:00まで(入場は閉館の30分前まで)
休館日
月曜日(ただし、5月1日(月)は開館)
観覧料
一般900円(600円) 大学生500円(250円)