おとろえぬ情熱、走る筆。 ピエール・アレシンスキー展
会期:
2017年1月28日(土)―4月9日(日)
ピエール・アレシンスキー(1927年生まれ)はベルギーに生まれ、第2次大戦後、ベルギー、オランダ、デンマークの若い作家たちが結成した前衛芸術グループ「コブラ」に参加して本格的な作家活動を始めました。「コブラ」の作家たちは、子供の絵などに触発され、主義主張に捕らわれない自由を何よりも大切にして、それぞれのスタイルで制作を展開します。短い「コブラ」の活動のなかでアレシンスキーは、線の要素を主にした抽象的な絵画を自らの個性にして、間もなくパリで東洋の書道芸術を発見します。とりわけ体全体を使って床に置いた紙に墨で書く、当時湧き起った日本の前衛書道の奔放さに共感を覚え、1955年には来日して書家の森田子龍らと交流し、映画『日本の書』を作りました。日本滞在も刺激となり、生来の優れたデッサン力を生かしたアレシンスキーの絵画は、西欧の重厚な油彩画から抜け出し、墨、水彩、アクリル絵具などを用いて、軽快で自在な線描を軸に豊かな展開を見せてきました。コマ割りにした画面に海、樹、人間、怪物など、多彩な形を表しながら、画家が見、経験した世界のあらゆる側面が集められるとともに、その個性は、版画も交えた幾種もの技法を駆使して、いまなお限りない変奏をかなでています。
90歳を迎えるアレシンスキーの奔放自在な筆の勢いは依然衰えることを知りません。ベルギーを代表し戦後のヨーロッパ絵画に大きな足跡を残すこの画家を、初期から最新の大作約80点をもって紹介する本展は、日本・ベルギー友好150周年を記念する日本で最初の大規模な回顧展です。
- 主催:国立国際美術館、毎日新聞社
- 後援:ベルギー大使館
- 協力:ヤマトロジスティクス株式会社、日本貨物航空株式会社、ダイキン工業現代美術振興財団
ピエール・アレシンスキー《写真に対抗して》1969年
ベルギーINGコレクション © Pierre Alechinsky, 2016
ピエール・アレシンスキー《夜》1952年
大原美術館蔵 © Pierre Alechinsky, 2016
ピエール・アレシンスキー《肝心な森》1981~84年
作家蔵 © Pierre Alechinsky, 2016
ピエール・アレシンスキー《あなたの従僕》1980年
ベルギー王立美術館蔵 © Royal Museums of Fine Arts of Belgium, Brussels
photo: J. Geleyns - Ro scan © Pierre Alechinsky, 2016
ピエール・アレシンスキー《デルフトとその郊外》2008年
作家蔵 © Pierre Alechinsky, 2016
ピエール・アレシンスキー《ローマの網》1989年
作家蔵 © Pierre Alechinsky, 2016
ピエール・アレシンスキー《ボキャブラリーⅠ-Ⅷ》1986年
作家蔵 © Pierre Alechinsky, 2016
ピエール・アレシンスキー《鉱物の横顔》2015年
作家蔵 © Pierre Alechinsky, 2016
ピエール・アレシンスキー《至る所から》1982年
ベルギー王立美術館蔵 © Royal Museums of Fine Arts of Belgium, Brussels
photo: J. Geleyns - Ro scan © Pierre Alechinsky, 2016
ピエール・アレシンスキー © Adrien Iwanowski, 2009
ピエール・アレシンスキー © Agnés Bonnot,1986
講師:山梨俊夫(国立国際美術館 館長)
- ※10:00から整理券を配布
- ※参加無料・先着130名
講師:中井康之(国立国際美術館 学芸課長)
- ※13:30から聴講用ワイヤレス受信機貸出
- ※参加無料(要観覧券)・先着90名
開館時間
10:00~17:00、金曜日は19:00まで (入場は閉館の30分前まで)
休館日
月曜日、3月20日(月・祝)は開館、翌日(3月21日)は休館
観覧料
一般900 円(600 円) 大学生500 円(250 円)
- ※( )内は20名以上の団体料金
- ※高校生以下・18歳未満、心身に障害のある方とその付添者1名無料(証明できるものをご提示願います)
- ※同時開催の「クラーナハ展̶500年後の誘惑」もご覧いただける、お得な共通チケット(1,900円)を販売します(1月28日(土)から4月9日(日)まで)。国立国際美術館の窓口でお買い求めください(当日券のみの販売となります)。