会期:
2015年7月25日(土)~9月23日(水・祝)
「他人の時間」展は、東京都現代美術館、国立国際美術館、シンガポール美術館、クイーンズランド州立美術館|現代美術館、国際交流基金アジアセンターによる共同主催事業です。展覧会は2015年4月に東京で始まり、大阪、シンガポール、クイーンズランド(オーストラリア)へと巡回しながら、各館のコレクションを含めたアジア・オセアニア地域の若手を中心としたアーティスト総勢25名による作品を紹介します。
会場によって参加作家の異なる本プロジェクトにおいて、国立国際美術館はその第二開催地として、参加作家20名による最も大規模な展覧会を開催いたします。
本展が開催される日本、シンガポール、オーストラリアでは、1990年代からアジアの現代美術に関する紹介や研究が継続的に行われてきました。それらに通底する「『アジア』への眼差しをどのように更新しうるのか」という問いが、今回の協働の前提となっています。本展は、これまでになく複雑な問題を抱えた現在のアジア・オセアニア地域を均一なものとして捉えるものではなく、多元的な文化の関係性、歴史の様相、またこの地域に住まう人々の主体のあり方について、いくつかの具体的な文脈から考察し、鑑賞者と共有する場を提供することを目的としています。
展覧会コンセプト
私とあなたの間には、どのような隔たりがあるのでしょうか。私があなたを見つめる眼差しは、どうやって形作られているのでしょうか。そして今、私はあなたについてどのように想いをめぐらせ、新しく関わることができるのでしょうか。
国境を越えた同時代的な記憶や感覚が珍しくなくなった一方で、経済的不均衡や価値観の以外による衝突が増加する現代のグローバル社会。その中で生きる私たちが、どのように「他人」と接続し、あるいは何によって隔たれているのかを考えてみることは、それぞれが生きる社会や歴史、そして自らが描く世界を問い直すことにもつながります。
本展は、4名のキュレーターの共同企画として、アジア・オセアニア地域の作家20名の仕事を通して、他人の時間に向き合う手掛かりとなる作品をご紹介します。東京に続いて開催される大阪展では展示構成を変えて新たに3作家が加わり、近くて遠い「他人」へとアプローチするためのさらなる想像力を掻き立てます。
出品作家
ヒーメン・チョン、キリ・ダレナ、グレアム・フレッチャー、ホー・ツーニェン、サレ・フセイン、ジョナサン・ジョーンズ、加藤翼、河原温、キム・ボム、アン・ミー・レー、バスィール・マハムード、イム・ミヌク、ミヤギフトシ、プラッチャヤ・ピントーン、ブルース・クェック、下道基行、ナティー・ウタリット、ヴァンディー・ラッタナ、ヴォー・アン・カーン、ヤン・ヴォー
「他人の時間」展 アーティスト・トーク
参加作家:ヒーメン・チョン、サレ・フセイン、キム・ボム、ミヤギフトシ、プラッチャヤ・ピントーン、ブルース・クェック(すべて出品作家)
「他人の時間」展 ギャラリー・トーク
講師:橋本梓(当館主任研究員)
「他人の時間」展 レクチャー・パフォーマンス
「THE WAY I HEAR/想像のための幾つかのスコア」
出演:mamoru(「他人の時間」東京展出品作家)、木埜下大祐(現代音楽フルート奏者/作曲家/東京成徳短期大学准教授/アジア同時代音楽協会(ADOK)会長/金沢市民芸術村ミュージック工房ディレクター)
音響:小松音響研究所
協力:アジア同時代音楽協会(ADOK)、YUKA TSURUNO GALLERY
「他人の時間」展 トーク・イヴェント
「ENSEMBLES ASIA / Asian Sounds Research報告会」
6月にマレーシア・ペナン島で開催された展覧会「OPEN GATE」(主催:国際交流基金アジアセンター)の報告会。「動き続けた」展覧会の様子、終了までの過程を記録映像とともに振り返ります。
出演:Sachiko M(音楽家、Asian Sounds Research プロジェクト・ディレクター)、米子匡司(音楽家)、水内義人(現代美術家)、橋本梓(当館主任研究員)、ほか未定
主催:国際交流基金アジアセンター、国立国際美術館
Asian Sounds Research 特設WEB:http://www.soundsresearch.com
「他人の時間」展 ギャラリー・トーク
講師:橋本梓(当館主任研究員)
開館時間
10:00~17:00、金曜日は19:00まで (入場は閉館の30分前まで)
休館日
月曜日(ただし、9月21日(月・祝)は開館)
観覧料
当日:一般900円/大学生500円
団体:一般600円/大学生250円