宮永愛子:なかそら−空中空−
会期:
2012年10月13日(土)~12月24日(月・休)
宮永愛子(1974~)の作品は時間と共に変化していきます。例えば、2003年に発表した「靴」を題材とした作品で用いられているナフタリンは常温で昇華するため、最初の形が保たれません。《シンデレラ》と名づけられたその作品は、誰もが知っているように夜中の12時を過ぎて魔法の切れた主人公が王宮の階段に落としていったガラスの靴を直喩すると同時に、戻ることのない時間の非情な流れを象徴的に示したものでした。有名な物語と自ら崩れていく靴、という組み合わせによって自己の方法論を印象づけた宮永は、次の段階では、窯から出た焼物が長期間きれぎれに奏でる微かな音(貫入)をテーマとしたような作品も試みています。事物の形姿が変化する様が聴覚を通して認識されるという体験を、美術作品という枠組で普遍化しようとしたのです。
変わり続けていく自身の作品を思い描いて、宮永は「なかそら」という言葉を紡ぎ出しました。古語に「なかぞら」という言葉があります。それは、どっちつかずで、心が落ち着かない様を意味しますが、宮永の「なかそら」も、それに近似した未だ揺らぎのある言葉です。そしておそらく、万物は全て変化を続けながら存在している、ということを象徴する宮永の作品は、全て「なかそら」の状態にあるのかもしれません。
本展は、そのような時と共に移ろいゆく姿を表し出す作品から、去年発表した金木犀の葉脈を用いて作り出した巨大な布状の作品《景色のはじまり》、そして新作まで、「なかそら」という言葉を介しながら、見る人の感性を揺るがすような6つの作品群によって展観いたします。
- 主催:国立国際美術館
- 協賛:株式会社資生堂、財団法人ダイキン工業現代美術振興財団
- 特別協力:公益財団法人五島記念文化財団
- 協力:日新レジン株式会社、株式会社廣済堂、信越化学工業株式会社、
京都造形芸術大学 ウルトラファクトリー、ミヅマアートギャラリー
宮永愛子 《景色のはじまり》 2011
写真:宮島径
©MIYANAGA Aiko
Courtesy Mizuma Art Gallery
宮永愛子 《景色のはじまり》 2011
写真:宮島径
©MIYANAGA Aiko
Courtesy Mizuma Art Gallery
宮永愛子 《景色のはじまり》 2011
写真:宮島径
©MIYANAGA Aiko
Courtesy Mizuma Art Gallery
宮永愛子 《Quartet -butterfly-》 2011
©MIYANAGA Aiko
Courtesy Mizuma Art Gallery
宮永愛子 《Quartet -butterfly-》 2011
©MIYANAGA Aiko
Courtesy Mizuma Art Gallery
宮永愛子 《ポスト -景色》 2010
photo: Didier Fontan, Patrick Ecoutin
©MIYANAGA Aiko
Coutesy Mizuma Art Gallery
宮永愛子 《色 -color of silence- (パリ)》 2010
©MIYANAGA Aiko
Coutesy Mizuma Art Gallery
宮永愛子 《waiting for awakening -clock-》 2011
©MIYANAGA Aiko
Courtesy Mizuma Art Gallery
宮永愛子展 ギャラリー・トーク
宮永愛子(出品作家) × 中井康之(当館学芸員)
- ※10月13日(土)
午後2時から
/B2階
展示場
- ※午後1時30分からワイヤレス受信機貸出
- ※無料(要本展観覧券)・先着90名
宮永愛子展 対談
宮永愛子(出品作家)× 福岡伸一(生物学者)
- ※10月14日(日)
午後2時から
/B1階
講堂
- ※午前10時から整理券を配布します。
- ※無料・先着130名
宮永愛子展 対談
宮永愛子(出品作家) × 朝吹真理子(小説家)
- ※11月3日(土・祝)
午後2時から
/B1階
講堂
- ※午前10時から整理券を配布します。
- ※無料・先着130名
宮永愛子展 ギャラリー・トーク
宮永愛子(出品作家) × 中井康之(当館学芸員)
- ※午後1時30分からワイヤレス受信機貸出
- ※無料(要本展観覧券)・先着90名
開館時間
午前10時~午後5時、金曜日は午後7時まで (入館は閉館の30分前まで)
観覧料
当日:一般420円/大学生130円
団体:一般210円/大学生 70円
- ※団体は20名以上
- ※高校生以下ならびに18歳未満、65歳以上、心身に障害のある方とその付添者1名。
いずれの方も無料 (ただし、証明できるものをご提示いただく場合があります)。
- ※本料金で「コレクション展」もご覧いただけます。
- 無料観覧日:10月13日(土)・11月3日(土)・11月17日(土)・11月18日(日)・12月1日(土)