会期:
2008年9月30日~11月24日
アジアとヨーロッパの人びとは、自らをどのようにとらえ、お互いをどのように受け入れてきたのでしょうか。本展では、その認識のうつりかわりを、肖像画や彫刻、写真や陶器など、さまざまな美術作品における人体表現のなかにたどります。
日本の歴史をふりかえってみると、南蛮屏風から近代の油絵まで、わが国の芸術文化は、つねに西洋文化との関わりのなかにあったといっても過言ではありません。もちろん浮世絵版画が19世紀のジャポニスムを生み出したように、西洋人を魅了した日本文化もありました。
一方、今日の世界は、かつてなく近くて狭い存在となりました。現代の美術においては、他者とは、遠い異国の地に住む見知らぬ人々ではなく、自分の隣にいる人、そして自分自身のなかに存在しています。美術作品における人間像とは、このように、人と人との出会いの記憶と、人が人に投げかけるまなざしが、「ひと」を描くという行為の痕跡として結実したものだといえるでしょう。
本展は、アジアとヨーロッパ18ヶ国の博物館、美術館が共同で作り上げた国際巡回展で、大阪では国立民族学博物館との同時期開催となります。美術館と博物館、アジアとヨーロッパの垣根を超えた共同企画によって見えてくる、新しい世界の姿をぜひご堪能ください。
※ 本展は国際交流基金の助成を受けています。
森村泰昌 「美術史の娘(王女A)」 1990年
和歌山県立近代美術館蔵 ©Yasumasa Morimura
アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック 「ディヴァン・ジャポネ」
1893年 サントリーミュージアム[天保山]蔵
岸田劉生 「近藤医学博士之像」 1925年
神奈川県立近代美術館蔵
ゴドフリー・ネラー卿 「ジェームズ2世」 1684年
国立ポートレートギャラリー蔵
松本竣介 「立てる像」 1942年 神奈川県立近代美術館蔵
レンブラント・ファン・レイン 「ベルベットの帽子をかぶる髭面の男」
1637年 大英博物館蔵
ツァオ・フェイ 「コスプレイヤー」 2004年
福岡アジア美術館蔵 ©Cao Fei
澤田知子 「School Days H」 2004年
東京都写真美術館蔵 ©Tomoko Sawada
重要文化財 「南蛮屏風」 大阪城天守閣蔵
アジアとヨーロッパの肖像 SELF and OTHER展 講演会
「モノに刻まれた出会いの記憶-
「アジアとヨーロッパの肖像」展の展示学」
講師:吉田憲司 (国立民族学博物館教授)
アジアとヨーロッパの肖像 SELF and OTHER展 ギャラリートーク
(担当学芸員による作品解説)
アジアとヨーロッパの肖像 SELF and OTHER展 講演会
「アジア近現代美術における自己像と他者像」
講師:黒田雷児(福岡アジア美術館学芸課長)
開館時間
午前10時−午後5時、金曜日は午後7時まで (入館は閉館の30分前まで)
休館日
毎週月曜日
(ただし、10月13日(月・祝)、11月3日(月・祝)、11月24日(月・休)は開館、
10月14日(火)、11月4日(火)は休館)
観覧料
当日:一般 830円/大学生 450円
前売:一般 700円/大学生 350円
団体:一般 560円/大学生 250円