会期:
2004年11月3日~12月19日
マルセル・デュシャン(1887-1968 フランス生)は、 "ダダイスムの巨匠"とも、"現代美術の父"とも呼ばれ、20世紀美術に多大な影響を与えた人物です。15歳の頃から絵を描きはじめ、 印象派からキュビスムまでの技法を短期間で習得した彼は、1913年に《階段を降りる裸体No.2》をアメリカで発表し、一躍時代の寵児となります。
その後、芸術の伝統的な形式を拒絶したデュシャンは、ニューヨーク・ダダ運動を展開する一方、既製品を使った 「レディ・メイド」作品の代表例《泉》が出品拒否に遭うなど物議をかもし続けます。
約20年ぶりの日本での大回顧展となる本展は、デュシャンを通じて20世紀美術をとらえなおす試みです。 デュシャンの初期絵画から晩年の仕事まで約70点を第1部で紹介し、同時にデュシャンの型破りな作品と皮肉や洒落に満ちた言説に触発された国内外の美術家たちの作品約80点を第2部で展示します。
デュシャン作品の大半を所蔵するフィラデルフィア美術館から《階段を降りる裸体No.2》《花嫁》など初期の代表的絵画が出品されるほか、 東京大学教養学部美術博物館の《大ガラス(東京版)》を初めて関西で展示します。さらに、デュシャンの死後公開された《遺作》を立体映像によって再現します。
階段を降りる裸体No.2
1912 油彩、キャンバス 146.0x89.0
フィラデルフィア美術館
彼女の独身者たちによって裸にされた花嫁、さえも(東京ヴァージョン)
1915-23/1980 油彩、ニス、鉛箔、鉛線、埃、ガラス 227.5x175.0
東京大学教養学部美術博物館
20世紀美術入門講座
「デュシャンとピカソ」 宮島久雄(当館館長)
講演会
「(演題未定)」 浅田彰氏(京都大学助教授)
講演会
「デュシャンにフェルメールと桂枝雀が与えられたとせよ」
森村泰昌氏(本展出品作家)
ギャラリートーク
(担当学芸員による作品解説)
20世紀美術入門講座
「画商とコレクター」 宮島久雄(当館館長)
講演会
「いまなぜマルセル・デュシャンなのか」
北山研二氏(成城大学教授)
シンポジウム
「デュシャンと現代美術の保存・修復をめぐって」
パネラー:マリオ・ペルニオーラ氏(ローマ大学教授)、
岡崎乾二郎(美術家)、他
ギャラリートーク
(担当学芸員による作品解説)
開館時間
午前10時~午後5時、金曜日は午後7時(入館は30分前まで)
休館日
月曜日
観覧料
当日:一般1,300円/大・高1,100円/中・小1,000円
前売:一般900円/大・高700円/中・小600円
団体:一般500円/大・高300円/中・小200円