《現代美術へのいざない》 アフター・イメージ-残像-

会期:2001年12月20日~2002年 2月3日

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本展は、現代美術をより多くの人々に触れていただくことを目的とした展覧会であった。展覧会のテーマは、現代美術における主要な関心事の一つである「イメージ」の在り方に置いた。とりわけ抽象絵画の全盛期を過ぎた1960年代以降に頻繁に現れることとなる現代的な「イメージ」の特質を紹介することを主旨とした。
展示作品は当館の所蔵品を中心として構成されたが、本展覧会のテーマをより十全に鑑賞者に伝えるべく、他美術館、作家、個人の所蔵家の所有する作品も数点展示した。
現代美術における「イメージ」の在り方とは、近代までの「具象」の在り方とは根本的に異なっていると言える。それは知覚し認知した対象を忠実に再現するという「再現芸術」の在り方から、そのような認知から再現表象へと至る一連のプロセスそのものの問い直しへと、力点が移行していると言い換えることができる。我々が何かを見て認識するという行為は、白紙の状態でなされるわけではない。それは常に、それまで網膜上に焼き付けられ記憶化されてきた様々な「残像」との関係において、つまり蓄積された「イメージに依って(アフター)」なされているのである。このような、対象と再現、作品と鑑賞者の視線、といったイメージをめぐる一連の回路の在り方は、現代美術において様々な形で問われてきた。特に1960年代以降、対象とそこから生まれるイメージとの関係に着目し、時間の推移による変化や、視線や記憶が介在することによって生じる「ズレ」を明確化させる試みが多く登場するようになった。
この展覧会では、そのような「ズレ」を意識させる絵画、彫刻から映像インスタレーションまで、22名の作家による64点の作品を展示し、現代美術における「イメージ」の在り方を検証した。展示は「イメージ」にまつわる「時間」「記憶」「既成イメージ」という三つのテーマに沿って、〈軌跡を追って〉〈記憶とイメージ〉〈イメージ・アフター・イメージ〉のセクションに分けて行い、それぞれのセクションには解説パネルを設けた。
出品作家 ディヴィッド・ホックニー、ブライス・ボーネン、野村仁、秋岡美帆、ロバート・スミッソン、ハミッシュ・フルトン、柳幸典、ジャン=ピエール・レイノー、ジョゼフ・コスース、ロバート・ラウシェンバーグ、北辻良央、ミロスワフ・バウカ、やなぎみわ、高谷史郎、マルセル・デュシャン、アンディ・ウォーホル、シンディ・シャーマン、森村泰昌、福田美蘭、中ハシ克シゲ、束芋、サイモン・パターソン。

  • 入場者:総数2,737人(1日平均83人)
  • 主催:国立国際美術館
  • 協力:旭硝子株式会社
  • 協賛:(財)ダイキン工業現代美術振興財団
  • ギャラリートーク(展示作品解説):日時:01/12(土)、01/26(土)
  • パンフレット「《現代美術へのいざない》アフター・イメージ−残像−」
    A3判/8ツ折/カラー1点
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