会期:1995年 2月9日~3月31日
本展は、1960年代より今日まで、主に工業用素材を用いて構成的で知的な立体作品の制作を続けている森口宏一の初の本格的な回顧展である。津高和一らの指導のもとに、関西大学在学中より美術活動を開始した森口は、最初は絵画の制作に取り組み、62年には同世代の美術家たちとともに抽象作家集団「テムポ」を結成した。この頃より始められた金属を用いたレリーフ状の作品は次第に立体へと展開され、アルミニウムやステンレススチールといった特殊な素材を使用した幾何学的な構成で知られる一連の作品が制作された。本展では関西の抽象彫刻の中核的な存在である森口の活動を初期の絵画からオブジェ、そして近年のインスタレーション的な大作にいたる190点の作品によって回顧した。