会期:1993年6月12日~8月1日
ジャン・デュビュッフェは、フォートリエ、ヴォルスとともに、「アンフォルメル」という美術運動の先駆者とされている。とりわけ、デュビュッフェは、三人のなかで最も長らえた作家であり、残した作品の数も膨大である。ガラス、タール、小石など、従来の作品ではあまり使われない素材を駆使した初期の作品から、絵画と彫刻の境界をあいまいにした晩年の巨大な作品に至るまで、彼の作品は、数においてだけではなく、質においても、驚くほどの広がりを見せている。さらに、彼は、子供や精神障害者の作品を「アール・ブリュット」(生の芸術)という名のもとに集めて、その価値を論じるなど、評論活動にも優れたオ能を示している。本展は、ある意味で、最もデュビュッフェらしいといわれる1940−50年代の作品50点に焦点を当てた、日本ではじめての展覧会である。