会期:1993年9月2日~11月30日
現代インドネシアのテキスタイル・デザインを紹介する展示を、3階と2階の展示室で展開している時期に、それらの作品とは対照的な日本のテキスタイル造形の在り方を、来観者に紹介しようとするもの。小林正和は日本の代表的なテキスタイル造形作家というよりは、ポーランドの国際テキスタイル・トリエンナーレへの出品作が最高賞を獲得してからは、世界の誇る大作家である。『一本の糸』の持っている素材の特質と美しさを引き出しながら、空間を構成する基本的路線を厳格に守る幾つかの方法論が提示され、それらが統合されて作り出す美しい空間の可能性が示された。