会期:1992年12月12日~1993年 1月31日
これまで当館は、東京国立近代美術館、京都国立近代美術館と共に「現代美術への視点」シリーズを開催してきたが、本展は、1984年の「メタファーとシンボル」展、1989年の「色彩とモノクローム」展に次ぐ三回目の企画である。
形象とは何か。それは絵画を成立させている背景ないし地に対して意味づけられたかたちといえ、芸術表現を根底から支えているものといえよう。それゆえ芸術家は、ひたすら形象を求め、時代、社会に対して自らの根拠を問い続ける。しかし、今日の社会はあまりにも錯綜することが多く、背景と見えたものが、形象だったり、形象が背景に転化したりする。こういった状況の中で、あくまで美術の本質は形象の展示であることにこだわり、一定の成果をあげている若手作家 15人の意欲的な作品を展示・紹介した。