近作展9 堀浩哉

会期:1991年10月10日~12月1日

この「近作展9 堀浩哉」は、当館で同時開催した「芸術と日常−反芸術/汎芸術」展と交差しまた共振すべき内容を持った展覧会であった。堀浩哉が活動をはじめた1970年前後は、大学「紛争」の高揚とその余波にすべてが翻弄された時代であった。体制と自由、精神とゲバルト、組織と個人、政治と文化等すべての根底が問いなおされ、豊饒なる精神の開花とともに挫折や絶望が渦巻く錯綜した時代であった。
1960年前後の反芸術の世代は、既存の体制や制度がまだ強い力を持っており、それを批判し愚弄し否定することに主にエネルギーを注いだといえよう。
「紛争」直後の世代は、何かを倒したようでありながら、新しいものが明確な姿をあらわしたわけでもない、ある虚脱感から出発しなければならなかった。受け継ぐものも、否定するものもない、ゼロからの出発であった。堀浩哉(1947年生まれ)の作品からは、反芸術とは少し違う、一度内側へ取り込まれた反抗精神のようなものが感じられる。
会場は2階を利用し、「風の声」シリーズの4点と、「ローマで鳥を見た」シリーズ6点を展示した。

  • 入場者:総数8,171人(1日平均178人)
  • 主催:国立国際美術館
  • パンフレット:「近作展9 堀浩哉」
    A4判/4ページ/カラー1点/白黒3点
    堀 浩哉(中村敬治)/略歴/文献
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