会期:1991年 3月9日~5月7日
この展覧会では、世界屈指の総合博物館である大英博物館が所蔵し、かつ最も誇りとする世界の古代文明の優れた遺産を、次の七部門にわたって紹介した。
・メソポタミア(都市文明の誕生)
・エジプト(神と王家の人々)
・ギリシャ(西洋文明の激流)
・インド(仏教美術−信仰と風俗)
・西域(スタイン・コレクション)
・メソアメリカ(マヤ、アステカの文明)
・ポリネシア(ハワイ王国とキャプテン・クック)
これら七部門にわたる総数250余点に及ぶ文明の遺宝の一つ一つは、それぞれが豊富な歴史的背景とエピソードを内に秘めていた。また、この七部門を通じて、ある共通のテーマ、例えば各文明の文字という点では、メソポタミアの楔形文字、エジプトの象形文字、ギリシャのアルファベット、マヤの絵文字、ポリネシアのロンゴロンゴなど、その原資料を実見し比較することができた。その他、人体や死の表現方法などを比較することも可能で、本展は、美術的観点だけでなく歴史的、文化的な点からも興味は尽きなかった。
「芸術と人間」という大きなテーマに十分こたえうるこれだけの作品が大英博物館から日本に貸し出されるのは、おそらくこれが最初で最後となろう。