会期:1986年7月10日~8月10日
アントニ・クラーヴェは、ピカソをはじめミロやダリなど二十世紀スペインを代表する世界的な画家たちを生み出したカタロニア地方に生まれた(1913年)。ペンキ職人として働きながら、夜学の美術学校で学び、やがてポスターや挿絵を描きはじめる。
フランスへ渡ってはじめてエコール・ド・パリなど当時の最先端の美術を知ったが、なににもましてピカソの知遇をえたことが、彼の将来を決定した。
この展覧会では「ピカソ頌」のシリーズをはじめ近年の大作絵画二十点余に、彫刻、版画を加えて展示した。ピカソという巨人が絵画を破壊しつくしたあとに、絵画はなにをなしうるのか、クラーヴェの近作はその問いへのひとつの答えであろう。なお、会場は3階を使用した。