会期:
2020年1月7日(火)―2月28日(金)
現代美術の根底にある日本的美意識の存在と、その表現手法に見られる特徴的な傾向を、約90点の所蔵作品によって浮き彫りにします。
目まぐるしく移り変わる現代社会の中で、私たちは日々さまざまなものに感動し、時に心の安らぎを覚えながら暮らしています。価値観や嗜好が細分化してきた現代においては、そうした人々の心を反映する美術作品もまた、多様性の中で展開してきました。
同じように、政治や経済の状況、世相も常に揺れ動いていました。美術というものが、その時代を生きた人々の精神的営為の所産であるならば、その変遷を辿ることは、私たちが歩んできた戦後の時代そのものをふり返ることになるでしょう。
一方で、ある国や地域の美術には、その土地ならではの特徴というものがあります。それは時代を超えて一貫した心のもちようであり、宗教や生活、人生観や世界観などから形成される、ものの見方や考え方といえるでしょう。
「日本人と自然」を総合テーマとする、「日本博」の関連企画として開催される本展では、特に、戦後独自の展開を見せた日本の現代美術の中に見られる日本的表象の特質を探り、同時に、現代社会の状況を反映する多様なテーマ性と問題意識を、1.「文化の流儀と底流」、2.「人間と社会、深層への眼差し」、3.「イメージとしての世界観」の3章に分けて検証します。
美術は時代を映し出す鏡のようなものだといわれます。本展を通して、私たち自身が、今一度、美術と言う鏡に映る自らの姿を確認することで、そこに何か新しい真実を発見できる機会となることを期待します。
出品作家
井田照一、井上有一、榎倉康二、木下佳通代、桑山忠明、白髪一雄、白髪富士子、高松次郎、津高和一、八田豊、森田子龍、湯原和夫、吉原治良、イサムノグチ、遠藤利克、橿尾正次、菅木志雄、戸谷成雄、八木一夫、李禹煥、池田龍雄、風間サチコ、北山善夫、木下晋、野田哲也、浜田知明、吉田克朗、下道基行、柴田敏雄、西野達、畠山直哉、宮本隆司、今村源、岡崎和郎、小沢剛、落合多武、北辻良央、木村友紀、工藤哲巳、高柳恵里、中西夏之、三木富雄、伊庭靖子、小林孝亘、佐川晃司、杉戸洋、辰野登恵子、中村一美、中山玲佳、古川吉重、丸山直文、村瀬恭子、山田正亮、依田寿久、青木野枝、植松奎二、小清水漸 他
橿尾正次《貌》1964年
国立国際美術館蔵 撮影:福永一夫
三木富雄《Ear》1972年
国立国際美術館蔵 ©Tomio Miki
佐川晃司《半面性の樹塊 No.7》1991年
国立国際美術館蔵
小林孝亘《House Dog》1995年
国立国際美術館蔵 ©Takanobu Kobayashi
ギャラリー・トーク
講師:安來正博(国立国際美術館主任研究員)
ギャラリー・トーク
→中止
講師:安來正博(国立国際美術館主任研究員)
会期
2020年1月7日(火)―2月28日(金)
開館時間
10:00 ─ 17:00、金曜・土曜は20:00まで
※入場は閉館の30分前まで
休館日
月曜日(ただし、1月13日(月・祝)、2月24日(月・休)は開館し、翌日休館)
観覧料
一般 430円(220円) 大学生 130円(70円)
※( )内は20名以上の団体料金
※高校生以下・18歳未満・65歳以上無料(要証明)
※心身に障がいのある方とその付添者1名無料(要証明)
※本展は同時開催の「インポッシブル・アーキテクチャー ―建築家たちの夢」展の観覧券でご観覧いただけます。
※夜間割引料金 (対象時間:金曜日・土曜日の17:00 ─ 20:00)一般250円 大学生70円
※無料観覧日 1月11日(土)、2月1日(土)、3月7日(土)