フィオナ・タン まなざしの詩学

会期: 2014年12月20日(土)~2015年3月22日(日)

フィオナ・タンは、1966年、中国系インドネシア人の父とオーストラリア人の母のもとにインドネシアで生まれ、オーストラリアで育ちました。その後、ヨーロッパに移住し、現在はオランダのアムステルダムを拠点に活躍している映像作家です。

初期の代表作《興味深い時代を生きますように》(1997)は、彼女の出自を探る映像作品で、インドネシアにおける反中国人暴動によって離散した自身の一族を追ったドキュメンタリー・フィルムです。この作品は、現代の民族間の問題をも含んだ文化的多元性を象徴的に示しているという点で高く評価されました。この作品を足がかりとして、タンは、人間の存在が時間や場所とどのように関わっていくのかという簡明ながらも根源的ともいえるテーマを表現するようになります。例えば、本展に出品される《リフト》(2000)は、30個余りのヘリウムガスが入った赤い風船によって作家自身が空中に浮かぶ様子を映した映像作品です。それは、タンばかりでなく、多くの人々が子供の頃に一度は夢想したであろうことを現実化したとも言えるでしょう。

さらに、近年において、タンは、初期作品で試みたアイデンティティの探求から、そのアイデンティティを作り上げる記憶へとテーマを推移させます。2009年のヴェネチア・ビエンナーレで発表した《ライズ・アンド・フォール》(2009)は、水の流れと女性の生活を対比的に見せることによって人の記憶を隠喩しています。また、同時に発表した《ディスオリエント》(2009)では、マルコ・ポーロ(イタリアの商人・冒険家、1254-1324)の旅行記『東方見聞録』を題材に、長大な時間をまたいだ人類の文化的記憶を表現しました。

本展は、タンの初期から近年までの代表作14点によって、彼女が追求してきたテーマの変遷をたどろうとするものです。フィオナ・タンの作り出す映像世界を通じて、人類が積み重ねてきた文化的記憶と共に個々の人間の中に形成される様々な感情が、見事に形象化されていることを実感されるでしょう。

-展示作品の上映時間について-
展示室にてドキュメンタリー作品2本を交互に上映いたします。
上映時間については下記をご覧ください。

《興味深い時代を生きますように》...A
May You Live in Interesting Time
1997年|ドキュメンタリー|60分|日本語字幕付|作家蔵

《影の王国》...B
Kingdom of Shadows
2000年|ドキュメンタリー|50分|日本語字幕付|東京都写真美術館蔵

[上映スケジュール]
10:45 ― 11:45 A  11:50 ― 12:40 B
12:45 ― 13:45 A  13:50 ― 14:40 B
14:45 ― 15:45 A  15:50 ― 16:40 B
※下記上映スケジュールは金曜日のみ
16:45 ― 17:45 A  17:50 ― 18:40 B

作品《ゆりかご》上映再開のお知らせ
「フィオナ・タンまなざしの詩学」展で展示しています《ゆりかご》(1998)の、機材整備が済みました。現在上映を再開しました。皆さまのご来館をお待ちしております。

シネ・リーブル梅田【美術館作品】×国立国際美術館【フィオナ・タン展】 タイアップキャンペーン 実施決定!! (4/22更新)
シネ・リーブル梅田で1月24日から公開予定の以下の作品の鑑賞券半券のご提示により、「フィオナ・タン まなざしの詩学」を団体料金でご覧いただけます。

また、「フィオナ・タン まなざしの詩学」の観覧券半券のご提示により、これらの美術館作品をシネ・リーブル梅田にて、割引料金(一般\1800→\1500、大学生・専門学生\1500→\1300)でご鑑賞いただけます。

※その他割引との併用不可
※シネ・リーブル梅田のみ適用可
※オンラインチケット予約では使用不可(劇場窓口でのみ使用可)
※『ヴァチカン美術館4K3D 天国への入口』では3D料金別途400円(3D料金代300円+3Dメガネレンタル代100円)が必要になります。

『みんなのアムステルダム国立美術館へ』(上映終了)
『ナショナル・ギャラリー 英国の至宝』(上映終了)
『ヴァチカン美術館4K3D 天国への入口』(上映終了)
※公開スケジュールの詳細等は、シネ・リーブル梅田へ直接お問い合わせください。(外部サイトへ移動します)

  • 主   催:国立国際美術館、朝日新聞社
  • 後   援:在大阪・神戸オランダ王国総領事館
  • 助   成:モンドリアン財団
  • 協   賛:ダイキン工業現代美術振興財団

展示作品

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フィオナ・タン 《インヴェントリー》 2012年 HD・ヴィデオ インスタレーション 作家蔵
Courtesy of the artist and Frith Street Gallery, London; Wako Works of Art, Tokyo

フィオナ・タン 《インヴェントリー》 2012年 HD・ヴィデオ インスタレーション 作家蔵
Courtesy of the artist and Frith Street Gallery, London; Wako Works of Art, Tokyo

フィオナ・タン 《ディスオリエント》 2009年 2チャンネル・HDインスタレーション 作家蔵
Courtesy of the artist and Frith Street Gallery, London; Wako Works of Art, Tokyo

フィオナ・タン 《ディスオリエント》 2009年 2チャンネル・HDインスタレーション 作家蔵
Courtesy of the artist and Frith Street Gallery, London; Wako Works of Art, Tokyo

フィオナ・タン 《ライズ・アンド・フォール》 2009年 2チャンネル・HDインスタレーション 作家蔵
Courtesy of the artist and Frith Street Gallery, London; Wako Works of Art, Tokyo

フィオナ・タン 《ライズ・アンド・フォール》 2009年 2チャンネル・HDインスタレーション 作家蔵
Courtesy of the artist and Frith Street Gallery, London; Wako Works of Art, Tokyo
Photo: Per Kristiansen

フィオナ・タン 《プロヴナンス》 2008年 ディジタル・インスタレーション 作家蔵
Courtesy of the artist and Frith Street Gallery, London; Wako Works of Art, Tokyo

フィオナ・タン 《プロヴナンス》 2008年 ディジタル・インスタレーション 作家蔵
Courtesy of the artist and Frith Street Gallery, London; Wako Works of Art, Tokyo
Photo: Per Kristiansen

フィオナ・タン 《リフト》 2000年 フィルム&ヴィデオ・インスタレーション 東京都写真美術館蔵
  Courtesy of the artist and Frith Street Gallery, London; Wako Works of Art, Tokyo

フィオナ・タン 《リフト》 2000年 フィルム&ヴィデオ・インスタレーション 東京都写真美術館蔵
  Courtesy of the artist and Frith Street Gallery, London; Wako Works of Art, Tokyo

フィオナ・タン 《興味深い時代を生きますように》 1997年 ヴィデオ 作家蔵
Courtesy of the artist and Frith Street Gallery, London; Wako Works of Art, Tokyo

フィオナ・タン 《興味深い時代を生きますように》 1997年 ヴィデオ 作家蔵
Courtesy of the artist and Frith Street Gallery, London; Wako Works of Art, Tokyo

フィオナ・タン 《影の王国》 2000年 ドキュメンタリー・フィルム 東京都写真美術館蔵
  Courtesy of the artist and Frith Street Gallery, London; Wako Works of Art, Tokyo

フィオナ・タン 《影の王国》 2000年 ドキュメンタリー・フィルム 東京都写真美術館蔵
Courtesy of the artist and Frith Street Gallery, London; Wako Works of Art, Tokyo

関連イベント

「フィオナ・タン まなざしの詩学」展 アーティスト・トーク

講師:フィオナ・タン(出品作家)

  • ※12月21日(日) 午後2:00から/B1階 講堂
  • ※午前10時から整理券を配布します
  • ※無料・定員130名・逐次通訳付

「フィオナ・タン まなざしの詩学」展 ギャラリー・トーク 

講師:本展担当学芸員

  • ※1月17日(土) 午後2:00から/B3階 展示室
  • ※午後1時30分から聴講用ワイヤレス受信機貸出
  • ※無料(要本展観覧券)・先着90名

「フィオナ・タン まなざしの詩学」展 ギャラリー・トーク 

講師:本展担当学芸員

  • ※2月7日(土) 午後2:00から/B3階 展示室
  • ※午後1時30分から聴講用ワイヤレス受信機貸出
  • ※無料(要本展観覧券)・先着90名

「フィオナ・タン まなざしの詩学」展 ギャラリー・トーク 

講師:本展担当学芸員

  • ※3月7日(土) 14:00から/B3階 展示室
  • ※13:30から聴講用ワイヤレス受信機貸出(先着90名)
  • ※参加無料(要本展観覧券)

関連イベント

開館時間

午前10時~午後5時、金曜日は午後7時まで (入場は閉館の30分前まで)

休館日

月曜日(ただし、2015年1月12日(月・祝)は開館、13日(火)は休館)、2014年12月29日(月) - 2015年1月3日(土)

観覧料

当日:一般900円/大学生500円
団体:一般600円/大学生250円

  • ※高校生以下無料・心身に障害のある方とその付添者1名無料(証明できるものをご提示願います)
  • ※団体は20名以上
  • ※本料金で「コレクション3」もご覧いただけます
  • ※2回目以降ご観覧のお客様は、前回の観覧券半券のご提示により、団体料金で観覧券をご購入いただけます
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