アクティヴィティ・パレット
YOUR VIDEO
提案者:山城大督
はじめに
いつかの「わたし」のために、ある日の「わたし」を映像で記録して保存しましょう。
「撮影タイムラインシート」に沿って撮影すると、あなただけのビデオが生まれます。

⓪必要なもの
・映像が撮影できるデバイス
・編集することができるデバイス
・映像を保存するメディア
①撮影しよう
「撮影タイムラインシート」に書かれている内容と秒数に沿って撮影しよう。
撮影タイムラインシート
シーン | 内容 | 時間(秒) | コメント |
---|---|---|---|
1 | 誰かの顔のアップからスタートして、自宅の玄関から出る | 4 | |
2 | 自宅の玄関を出て少し散歩 | 5 | 歩きながらの撮影に気をつけて |
3 | 玄関から家に入っていく様子 | 3 | 家の中から撮っても、外から撮ってもOK |
4 | カレンダーの今日の日付 | 2 | |
5 | 家にある時計 | 2 | カメラをできるだけ動かさずに撮影 |
6 | 誰かが「YOUR VIDEO」と言ってる声と顔 | 3 | 複数人数でもOK |
7 | テレビの画面 | 2 | |
8 | テレビを見ている誰か | 3 | |
9 | グラスに何か飲み物をそそぐ | 2 | いつ撮影してもOK |
10 | それを誰かが飲んで「うーん!うまい!」って言う | 2 | いつ撮影してもOK |
11 | 誰かが起きてくるところに「おはよう」と声をかける | 2 | |
12 | 洗面台 | 1 | |
13 | 歯ブラシ | 1 | |
14 | 朝ごはん | 1 | |
15 | カーテン | 1 | |
16 | 鏡にうつる誰か | 1 | |
17 | 誰かが朝ごはんを食べている | 2 | |
18 | 誰かが出かけるところ | 2 | |
19 | 家の中をどこでもいいので、歩きながら撮影 | 3 | |
20 | 誰かが日記を書き、その文章を音読している様子 | 30 | 100文字くらいで日記を書く |
21 | 誰かの子どもの時の写真 | 2 | 何歳のころでもOK |
22 | 「誰かの子どもの時の写真」を見ている様子 | 4 | |
23 | 家の窓からの風景 | 2 | |
24 | 本棚 | 2 | |
25 | 家の中の植物もしくは動物 | 2 | どちらもない場合は近所の植物でもOK |
26 | 全員のお茶碗もしくはお皿を真上から撮影 | 2 | |
27 | キッチン | 2 | 自由に撮影 |
28 | 誰かの手 | 1 | 自由に撮影 |
29 | 誰かが寝るところに「おやすみ」と声をかける | 4 | |
30 | 家にある時計 | 5 | カメラをできるだけ動かさずに撮影 |
合計(秒) | 99 |
②編集しよう
撮影した映像を撮影タイムラインシートの通りの順番に編集しよう。
③鑑賞しよう
編集が終わったら、一度見てみよう。
④保存しよう
どのような形でもいいので、データを保存しよう。
⑤いつか見てみよう
10日、1年、5年、10年、50年、100年。
時間が経ったら、いつか見てみよう。
誰かと一緒に見ることをオススメします。

山城大督(美術家・映像作家)
1983年⼤阪府⽣まれ、京都市在住。美術家・映像作家。映像の時間概念を空間やプロジェクトへ応⽤し、その場でしか体験できない〈時間〉を作品として展開。 2006年よりアーティスト・コレクティブ「Nadegata Instant Party」を結成し、市⺠参加型プロジェクトを全国各地の美術館、芸術祭で発表。また、⼭⼝情報芸術センター[YCAM]にてエデュケーターとして、オリジナルワークショップの開発・実施や、教育普及プログラムを多数プロデュース。2020年より京都芸術⼤学専任講師。第23回⽂化庁メディア芸術祭審査委員会推薦作品受賞。
(2022/3/1 時点)
今回のアクティヴィティを提案したおもい
「わたし」を知ることは簡単ではありません。それは「わたしの中に『わたし』がいるから」。映像を使うと少しだけ『わたし』から離れて「わたし」を見ることができるかもしれません。10年後の「わたし」から見た『わたし』はどんな風に見えているのでしょう。いろんな想像が生まれるかもしれません。
今実践していること
毎日写真を撮っています。スマートフォンで撮ったり、一眼レフで撮ったり、フィルムカメラで撮ったり。いろんな方法で記録をしています。この活動は気がつくと20年ほどやっていますが、全く飽きません。なぜなのでしょう。
今大切にしていること
変化に対して敏感にいることを大切にしています。僕たち人間の身体はすぐに慣れてしまうので変化に気づかないことが多くあります。「なんか変だぞ」「なんかいつもと違うな」という時には言葉に出すようにしています。コツは「よく観察する」ことです。