アクティヴィティ・パレット
家で家族で楽しむ遊び
提案者:谷村博美
Cadavre exquis(カダーヴル・エクスキ)
ご存じの方も多いかもしれませんが、シュルレアリストたちが考え出した遊びです。優美な屍骸、優雅な死骸で検索するとWikipediaでも出てきます。絵でも、文章でもできます。
材料や道具
- 紙(絵の場合はA4縦半分サイズくらい、詩の場合は8cm×15cmサイズくらいがオススメ)/鉛筆
- 必要な人数 : 3人以上いた方がいいですが、2人からでもできます。今回は、4人での方法です。
遊び方
絵を描く場合
- 紙を4つに折り曲げ、4人が順番に紙の上から自分のパート(1/4)のみに絵を描きます。
- 次の人には、何を描いたか見えないように絵の部分を折って(1/4を折ると1/4が隠れます)渡します。ただし、絵が次の人の絵とつながって初めて面白みが出てくるので、絵の先の部分だけ見えるように残して紙を折って隠します。
- 次の人は、出ている線の先から自分の絵を、次の1/4の部分に続けて描きます。
- 4人が描いた時点で、紙を広げれば、完成した絵を見ることができます。
詩を書く場合
- 4人が、それぞれ、自分の紙に、何でもよいので1行ずつ、書く。4人それぞれが書きあがったところで、4行を並べて、1つの詩にする。並べる順序を変えて読んでみてもよい。
- または、1人が紙に1行を書き、自分が書いた1行を見えないようにして次の人に渡し、これを繰り返して、全体を完成させます。
いらないものでパート1 「言葉遊び」
1980年代初めにパリに数年滞在したのですが、お部屋を借りていた家の持ち主が、ダダ、シュルレアリスム系のアーティストでした。その方からいろんなことを教わりました。彼の展覧会の一つで、開いた本のページが、ある言葉を塗りつぶす手法で作品に仕上げてありました。
材料
捨てようとしている本、雑誌など/マジック
遊び方
- まず最初に、ある言葉か字を塗りつぶして行きます。例えば「わたし」「あなた」という言葉を塗りつぶします。他にも、人の名前全て、水に関係する字や言葉の全て、などなど、または、助詞、「は」「が」「を」「も」などでやってみても面白いですよ。
- 1ページ塗りつぶし終わってから、参加者一人一人が、塗りつぶされた箇所に自分の好きな言葉を当てはめて、1行(文)ずつ読んでみる。助詞は他の助詞を入れて読むと全く意味が変わるので面白いです。考えないで、即興的にどんどん読んでみることです。
いらないものでパート2 「雑誌の切り抜きコラージュ」
材料
いらない雑誌、新聞紙など/ハサミ/のり、ボンドなどの接着剤/大きな空き缶、しっかりした段ボール、お店の手提げ紙袋など
遊び方
- いらない雑誌、新聞紙の切り抜きを作っておきます。沢山、大小、いろんな種類があるといいです。
- 大きな空き缶、しっかりした段ボールの空き箱、お店の手提げ袋などにほとんど隙間がなくなるくらいに、切り抜きをべたべた貼ります。
- 切り抜きを隙間なく貼るのが難しいかもしれませんので、始める前にどんなページでもいいので、全体にべったり貼り付けておくといいかもしれません。特に、缶の場合は一番下の最初の紙はボンドでないとちゃんとくっつかず、後ではがれたりします。
- このあたりで止めようと思うまで、好きなのからどんどん貼っていきます。最初から意図的に一つのシーンを作ろうとして貼って行くのは、かえって難しいかと思います。きちっと隙間を埋めるより、「面白いと思うものから、余り考えないでどんどん貼る」ことがコツかと思います。家で、大人の人か、あるいはみんなで一緒に切って用意をしておいて、皆で順番に一つ一つ貼っていっても面白いかもしれません。
- 出来上がったら、サランラップで上手に全体を被っておくと長持ちします。
- 空き缶はゴミ箱に、段ボールはおもちゃ箱などになります。
〈コツ〉
いらないものでパート3 「首巻きづくり」
材料
古いTシャツなどの服/ハサミ/糸、針など裁縫道具あるいはミシン
遊び方
袖の出ている上の部分と、何もない下の部分を切り離します。下の筒になっている部分はそのまま首に2重に巻くことによって首巻になります。後、何点かあれば、違う色の組み合わせなど楽しめます。
寒い外から電車に乗ったりビルに入ったりすると、毛糸その他の首巻は暑くなることがしばしばですが、屋内に入っても、綿だと首巻が邪魔になりません。もちろんファッションにもなります。
谷村博美(紙の保存修復家)
若いころから、日本の外に出歩くことを覚えました。大概、ヨーロッパですが、修復の勉強のためにカナダ、オーストラリアにも行きました。オーストラリアは、修復以外に、とても虫の多い所ですので、美術館の害虫駆除の勉強が目的でした。
それ以前、1980年代の初め、数年パリに滞在し、版画の父と呼ばれた、スタンリー・ウィリアム・ヘイター(Stanley William Hayter)氏の「アトリエ17」で版画を作りました。日本に帰り、版画家で生きて行こうと思いましたが、これは、もちろん、叶いませんでした。
そんな時、ある美術館の学芸員さんに、ぜひ紙(に描かれた)作品の修復を勉強してきてほしいと言われ、パリに舞い戻りました。が、イギリス、オランダが紙の修復に優れていることを知って、オランダで勉強しました。1990年に日本に戻って修復を始めました。
(2021/1/22 時点)
今回のアクティヴィティを提案したおもい
現在、ヨーロッパでも日本と同じ様に、ロックダウンです。みんな、休暇なのに旅行にも行けず、家から出られず、家族とどんな風に過ごすかが問題になっています。要するに、家で、テレビを見るだけでなく、家族みんなが出来る限り楽しく過ごすためにどうするか、、、と考えました。
今実践していること
- 1時間の散歩
- ラジオ体操I, II(コンピューターに音楽つきで入れてありますので、合わせてやります。)
- コンピューターで日本国内、国際ニュースを読む
- Duolingo(コンピューターの無料外国語レッスンのサイト)で、オランダ語の勉強
- 週1度、ボランティアのオランダ語の先生について、オランダ語の勉強
- 般若心経の写経
- 何らかの制作活動を続けたいので、今は、時間のある時に、コラージュをしたり古いT-シャツで何かを作ります。
- 上記を個人の活動として続けていますが、他に何かするべきだと思いますので機会があれば、どこかの美術館の作品など、ボランティアで修復をします。
上記4つは毎日します。以下は、時に応じて。
今大切にしていること
わたしは、1月9日に72歳になりました。父も母も長生きしましたので、わたしも90歳を超えて生きるだろうと思います。そうすると、まだ20年あります。生まれてから20歳になるまでの20年間に、わたし達がどれだけたくさんのことを学び、実践するかを考えると、わたしの前にある20年もまた、そうであるべきだと思います。そして、そのために最も大切なことは健康です。そう思って、頑張っています。