絵画の嵐・1950年代 アンフォルメル/具体美術/コブラ

会期:1985年9月27日~11月26日

本展は戦後美術の原点ともいうべき1950年代にみられるいわゆる表現主義的な絵画の動向を、当時のもっとも重要な三つの運動であるアンフォルメル、具体美術協会、コブラ・グループを中心に紹介したものである。
展示は、それぞれの運動としての輪郭を明確にするために、4階にコブラ、3階にアンフォルメル、2階に具体と、各グループをフロアーごとにまとめることを基本とした。もちろんいずれも相互に深いかかわりを持つものであり、年表や解説パネルではその点にも配慮した。
コブラのセクションの出品作品の大半はヴェネズエラの大コレクター、カーレル・ヴァン・スタイヴェンベルグ氏から借用したものである。いわゆるタブローや彫刻とともに、詩人と画家の共同制作によるカリグラフィー、当時の機関誌や画集などの資料をも含めて、日本では初めての紹介となるこの運動を多面的に展示するよう努めた。
アンフォルメルは周知のように、フランスの評論家、ミシェル・タピエが唱導した国際的な運動であるが、本展ではその中心となったパリの動向に焦点をあてている。フランスの画家のみならず、当時パリに滞在していたアメリカやイタリア、スペイン、日本の画家を幅広くとらえるようにした。さらに運動に関係した森田子龍の前衛書道や勅使河原蒼風の仕事も取り上げた。
具体は絵画のみならず、ハプニングの先駆とされる舞台や屋外での発表など、多彩で実験的な活動を50年代末に展開したが、ここではあえてタブローの作品に限定して、画家集団としての具体を紹介した。彼らの自発的な営為が50年代の国際的な絵画の動向と、単なる影響関係ではない深い同時代性を持っていた点に注目したからである。
これらの動きは従来、個別に取り上げられることが多く、総合的な視野からの展望が欠けていたように思われる。本展によって作家の交流の実態がかなり明らかになったとともに、またまとまった量の作品を対照することで、相違点をも含めて、時代の全体像の中で各グループ、各作家の仕事を把握しえたのは、大きな収穫であった。
ところで表現主義といえば、今日の絵画もまた激しい筆触と色彩の回復を特徴としている。この時期に開催されたことで、本展は50年代の回顧としての意味のみではなく、現代の状況にも通じる絵画における本質的な問題を改めて問い直す機会ともなりえていたとはいえないだろうか。
コブラ関係 47点、アンフォルメル関係 44点、具体関係 36点、同時代の関係作家 11点、他にアレシンスキーの映画「日本の書」をビデオで上映した。
(なお当時の運動としてもう一つ重要なのは、ニューヨーク・スクールを中心としたアメリカ抽象表現主義であるが、これは近い将来に別の展覧会として改めて企画することとした。)

  • 入場者:総数8,935人(1日平均169人)
  • 主催:国立国際美術館
  • カタログ:「絵画の嵐・1950年代−アンフォルメル/具体美術/コブラ」
    24.5×25.5cm/130ページ/カラー24ページ/白黒48ページ
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